犬とマスコミに日本語は通じない。モリカケ騒動で感じた違和感

 

さて、ワンコはともかく、昨今、日本語が通じない日本人が増えているようです。

いわゆる「○○人は××」というヘイトではなく、国籍はともかく日本語を母語とし、ほぼ日本で生活をしていながら、日本語のリテラシーに劣る人々が増えていることを確認します。

2017年11月28日の産経新聞の記事にこんなのがありました。

● 中高生の読解力ピンチ 文法分からず中学生43%が誤答 国立情報学研究所調査

AIによる東大合格を目指した「東ロボくん」プロジェクトでお馴染みの新井紀子教授らの研究チームによる調査結果です。

新井博士は数年前から、日本の学生の読解力の低下を指摘しており、2020年に必修化されるプログラミング教育」においても、その前に日本語教育のテコ入れが必要ではないかと疑問を呈する、数少ない有識者。

「プログラミング教育」について語るもの、また有識者会議に呼ばれる方々の大半が、諸手を挙げてマンセー同然の賛成ばかりだからです。

それもそのはず、有識者会議のお歴々とは、ここでは名前を控えますが、幼児教育産業の関係者であったり、そこでプログラミング教育という、つまりは「カルチャースクール」の運営者であったり、さらには「プログラミング」という言葉への抵抗感をなくしておくことが、中長期においてビジネスに有利に働く「人材派遣会社の会長」らだからです。

つまりは利益当事者がプログラミング教育の必修化を決めたといってもよいでしょう。

これを単純に「悪」とはいいません。それぞれのビジネスが社会に役立つと思い取り組んでいるのなら、自らのビジネスを社会に拡大させることは、結果的に社会的な利益=国益を実現することもあるからです。

しかし、物には順序があり、さらには道理もあります。

新井博士は先の記事の中で「読解力が不十分だと社会生活を送る上でも大きな影響が出る」と懸念を表明しています。

まず、これが「順序」。教育現場においては、日本語がわからない学生をどうにかするのが先だろうということ。

次の「道理」とは、そのプログラミングとは「読解力」を最も必要とする技術で、読解力がなければプログラミングを理解することがそもそも論でできないからです。掛け算九九もできない学生に、連立2次方程式を解けと指導するようなものです。

プログラミング教育の必修化など愚の骨頂。と断言して良いのは、どれくらい、日本語が「ヤバイ」レベルになっているか。先の記事に明らかです。

例えば中学の教科書から引用した「幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた」の一文と、「1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた」の一文とが同じ意味かどうかを尋ねたところ、「同じ」と誤答した中学生は約43%を占め、高校生でも約28%が間違えた。

設問の要点を絞れば、前者は「幕府→大名」に沿岸警備を命じており、対する後者は「大名→幕府」という図式で、今風にいうなら真逆、すなわち正反対の文章を同じと答えた中学生がほぼ半数で高校生でも約3割が間違えているのです。

「ヤバイ」でしょ?

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