現代の名刀匠が、零戦エースパイロットの言葉を支えにする理由

chichi20180315
 

現代の刀匠の最高位のひとつである「無鑑査」に認定され、国内のみならず海外でも高い評価を受ける松田次泰氏。そんな松田氏が「身の引き締まる思いがした」という、零戦のエースパイロットが口にしたある一言が、今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』で紹介されています。

ゼロ戦エースパイロット坂井三郎さんの言葉

古の名刀を超える技を目指し、人生のすべてを刀づくりに注ぎ込んできた松田次泰さん。その仕事観、人生観に迫りました。

仕事と人生 松田次泰(刀匠)

僕が何歳まで刀をつくり続けられるかは分かりませんが、やはり人生も仕事も、大事なことは諦めないということ、それしかないですね。

自分で「これだ」というものを掴むまでは、とにかくもう、やるしかありません。失敗しても、諦めないでやる。失敗にどれだけ耐えられるかです。

僕は40代の頃、何度も何度も失敗を繰り返しながらも、夢中で鍛冶場にこもって仕事をしていました。仕事を終えて鍛冶場を離れるともうフラフラで、すぐに眠り込んでしまうような生活を続けていたんです。

そういう厳しい仕事と対峙する中で、一つ自分を支える大きな力になったのが、零戦のエースパイロットだった坂井三郎さんとの出会いでした。坂井さんが80歳の時に、戦時中はいい刀を持てなかったので、改めて日本刀をつくりたいとご注文をいただいたんです。

その時に伺ったお話の中で、特に印象に残ったのが「二番だったら死んでいる」という言葉でした。「空中戦の時に少しでも自分の体調が悪かったら死んでいました。体調管理できない人から戦死しています。自分を律せなかったら、私はいまここにいません」と。

これには身の引き締まる思いがしました。

もし自分のつくった刀が二番の性能だったらそれを使った人は戦場で命を落としてしまうかもしれない。刀がそういう緊張感を伴ったものであることは、それまで頭では分かっていましたが、坂井さんのお話を伺って、実感として胸に迫ってきたのです。

image by: Wikimedia Commons

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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