効果その1
クエン酸は酸味があることから、酸性の物質と思われがちですが、実は体内ではアルカリ性物質であります。
食品などから取り込まれたクエン酸は、体内でアルカリ性に変わるからなのです。
こういった理由からクエン酸を多く含む、梅やかんきつ類はアルカリ性食品に分類されています。
一方、肉や魚、卵、穀類などは体内で酸性になるため、酸性食品に分類されるのです。
体は弱酸性を維持することが好ましいのですが、動物性タンパク質や炭水化物を多く摂取し、一方で野菜などが足りない食生活をする人の場合は、体が酸性に傾き
すぎる傾向になるため、そういった点においてクエン酸の摂取は効果的です。
効果その2
人はエネルギーを作り出さなくては生存していけません。
この場合のエネルギーとは、トレーニングや運動で使うエネルギーもさることながら、全身を構成している60兆個の細胞ひとつひとつで作り出しているエネルギーという意味です。
これには細胞内のミトコンドリアにあるクエン酸回路がそのエネルギー産出の重要な役割を担っています。
糖質と脂質がエネルギーとなる二大原料ともいえますが、どちらも体内での代謝を繰り返し、やがてクエン酸回路へと運ばれていきます。
このクエン酸回路での中心的な中間代謝物がクエン酸です。
例えば運動をすると筋肉内のクエン酸合成酵素は活性化されて、それに伴ってクエン酸濃度も上昇していきます。
これはまさにエネルギーの産生が進んでいる事でもあります。
逆に言えば、クエン酸が足りない状態はクエン酸回路の円滑性が損なわれ、エネルギーを効率的に作れない状況になってしまいます。
効果その3
筋肉中の乳酸の代謝を進め、乳酸濃度を下げる効果があります。
これはグルコース分解の調整酵素であり乳酸の生成に強く作用するピルビン酸脱水素酵素(PDH)にクエン酸が作用するためです。
乳酸は疲労物質ではなく、糖質のエネルギーが渋滞を起こした状態の時の一時保存のような役割です。
従って時間が経てば、改めてクエン酸回路へと導かれてエネルギーの産生に使われていきます。
しかし、一方で、乳酸が溜まる事は筋肉をより酸性に傾けることになるため、確実に運動パフォーマンスは低下しますし、強く疲労感を感じる事になります。
この乳酸を少しでも早く解消してやることが、すなわちトレーニング強度のアップ、運動パフォーマンスの向上、疲労感の軽減にもつながっていきます。