苦境ケーヨーデイツー。頭打ちのホームセンター業界で復活なるか

 

「ペット&グリーン」が目指す方向

また、一昨年7月には神奈川県藤沢市内の「ケーヨーデイツー」を業態転換し、「ペット&グリーン」1号店のみろく寺店を新提案している。ペットと園芸の専門店だが、ケーヨー・広報によれば「ペット、園芸、従来のホームセンターの日用品が、それぞれ3分の1というイメージの店」とのことだ。実際に店舗を訪れると、藤沢駅から歩いて15分ほどの市街地から住宅地に入ったあたりにある店で、周囲は比較的古くから開かれた大都市近郊の住宅地で、昭和30~40年代に建ったような1戸建てが連なっている。すぐ隣に、地元の有力なスーパー「相鉄ローゼン」があり、この店も異業種競合店に脅かされる立地だ。

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「ペット&グリーン」のペットコーナーは単に広いだけでなく、ペットホテルやトリミングコーナーを有し、サービス面が充実しているのが大きな特徴だ。生体の販売も犬、猫ばかりでなく小鳥、観賞魚、カメレオンのような爬虫類、ハムスターなどの小動物も揃えている。まさに従来のホームセンターの概念を打ち破っており、ペットショップ専門店そのものだ。

園芸コーナーも、インテリアとして楽しめるグリーンをテーマに、花苗、観葉植物から花束まで揃えており、それぞれの植物に合った雑貨を総合的に提案している。こちらもフラワーショップそのものである。日本家庭園芸普及協会の認定制度「グリーンアドバイザー」をスタッフに配し、植物の栽培法、楽しみ方をきめ細かく相談に乗る体制となっている。

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これは都市郊外型のモデルで、ペットや園芸のニーズが高い地域に対応した店舗だが、ペットコーナー、園芸コーナーの規模を縮小して、今後の店舗リニューアルにあたり組み込んでいくプランもあるという。

ケーヨーは昨年1月に、DCMホールディングスと資本・業務提携を結び、DCMの出資比率が20%となっている。DCMとしては完全子会社にする算段だったが、持分法適用の関連会社とすることで、同じ効果が得られると判断した。DCMは、四国・愛媛県発祥の西日本に強い「ダイキ」、東海地方が地盤の愛知県発祥の「カーマ」、北海道発祥で東日本に強い「ホーマック」が経営統合して、2006年に誕生した社歴の浅い会社。その後も、東北地盤の「サンワドー」、山梨県発祥の「くろがねや」などを傘下に収めて、業容を拡大してきた。

首都圏をはじめ、関西、中京の3大都市圏に店舗網を広げる、ホームセンター業界8位のケーヨーは、これまで3大都市圏に強くはなかったDCMにとって、弱点を補強する絶好のカードだった。DCMとケーヨーは、共にイオンが株式の5%を持つ大株主でもあり、業界再編にイオンの影響力も垣間見える。

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