苦境ケーヨーデイツー。頭打ちのホームセンター業界で復活なるか

 

ホームセンターのゼロサムゲームに巻き込まれたケーヨー

商品構成比(平成30年2月期中間決算)は、金額ベースで、ハウスキーピング33.9%、園芸・エクステリア20.2%、ホームレジャー・ペット14.7%、ホームインプルーブメント14.3%、ホームエレクトロニクス9.0%、ホームファニシング7.4%、その他0.5%の順。一方、日本ドゥ・イット・ユアセルフ(DIY)協会の調べ(2016年)では、会員のホームセンター33社の商品構成比は、金額ベースで、DIY用具・素材24.2%、園芸・エクステリア23.0%、家庭日用品19.6%、電気7.1%、インテリア5.9%、カー・アウトドア5.5%、カルチャー5.3%、業務サービス3.2%、その他6.3%となっている。

ケーヨーと日本DIY協会では、カテゴリーが異なっているが、ハウスキーピング≒家庭日用品と考えると、ケーヨーでは日用品の比率が3割を超えていて、ホームセンター全般の2割より相当高いことがわかる。これが売上が減っている大きな原因だろう。また、ケーヨーは、ホームセンター全般と比べると、ホームインプルーブメント≒DIY用具・素材と考えれば、DIYが弱い。園芸もやや弱い。商品が、電気店と被る電気や、家具店と被るインテリアの商品構成が高すぎる。このような問題点が浮かび上がってくるのだ。

ケーヨーの売上高は、平成18年2月期に過去最高の1,983億円の売上を計上して以来、業績が停滞しており、21年には1,667億円まで落ちたが、その後巻き返し、平成24年には東日本大震災後の資材需要などが奏功して約1,903億円まで戻した。しかし、その後の売上は25年1,808億円、26年1,740億円、27年1,693億円、28年1,578億円、29年1,469億円と5年連続で落ち続けている

経常利益も、平成24年2月期60億円、25年43億円、26年26億円、27年18億円、28年11億円、と同様に落ち続けたが、29年には22億円とまだ利益率は微々たるものだが巻き返している。総じて、もう十年も業績が振るわない状況にあり、売上が4分の3になってしまっている。

実はホームセンターの市場も停滞している。日本DIY協会の調べでは、平成15年頃までは右肩上がりにずっと伸びているが、それ以降は28年まで、4兆円を目前にした3兆9,500億円前後で横這いが続いている。

しかし、ホームセンターの店舗数は、平成15年の3,860店が、28年には4,710店にまで増え続けている。売上が横這いなのに、店舗数は1.2倍になっており、競争が激化して顧客の奪い合いになっている実態が浮き彫りになっている。

ケーヨーの不振は、このようなホームセンターのゼロサムゲームに、もろに巻き込まれてしまったからであり、ホームセンターらしい商いのあり方を問い直して売場で表現しなければ解決できないのである。

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