恋愛関係において「好きな相手に嫌われるのが怖い」と、必要以上に意識しすぎ、消耗してしまっていないでしょうか。それは気づかぬうちにある思考癖が原因になっているせいかもしれません。恋愛アドバイザーの月岡奈津子さんは、相手を「色えんぴつ」のように眺めることで相手に嫌われる恐怖は克服できると、自身のメルマガ『悩みは自分で解決できる! ~男と女と、お金と、自分~』で、経験を交えながら述べています。
なぜ、好きな人に嫌われるのが怖いのか?
それは恋する前から自分に自信がなかったり、自己肯定感が低かったり、自尊心が満たされていないことが原因だったりする。だがそれとは別にもうひとつ、普段から、自分と誰かを比べて優劣をつけている、その思考癖も好きな人に嫌われるのが怖くなる大きな原因だと、私は思う。
例えば、
この人は私より格上だ。この人は私より格下だ。彼女は私より美人でモテる。私は彼女みたいな美人じゃないし、モテない。だから負けている。
彼はきっとモテるから、私みたいな女はきっと相手にしてもらえないだろうな。彼はたぶんモテないくんだから、こんな人と付き合ったら恥ずかしいな。この程度の男しか口説いてくれないなんて、私の価値ってなんて低いのだろう。
こうやって、いつもいつもいつもいつも、自分と誰かを無意識に比べて競争している。常にいつもどこかで漠然と勝ち負けを気にしている。だから余計に(わぁ、この人すごく素敵!カッコイイ!付き合いたい!)と思って舞い上がったときに貴女は彼を即、「私より格上の男だ」と決めつけてしまう。
(1)普段から、自分や他人を比べて優劣をつける癖がある。
(2)オンリーワンよりも、どちらかと言うとナンバーワンに興味がある。
(3)イケメンやモテる男に出会うと、瞬時に(レベルが高い!格上の男だ!)と判断する。
(4)自分とその彼を比べて「彼の方が私より格上」と感じているので、
(5)格下の貴女は、格上の彼に嫌われることを恐れる。
(6)なるべく気に入られたい!好かれたい!と思うので、機嫌取りをして媚びを売る。
(7)それはまるで上司にペコペコしてゴマすりをする部下と同じ立ち位置なので
(8)貴女に格上扱いされた彼は、貴女を格下の女なんだなと感じるようになる。
(9)彼は格下の貴女に嫌われることを恐れないし、嫌われてもいいやと思うので
(10)自分のペースで貴女を振り回す。貴女に冷たくしても平気だし、罪悪感もない。
(11)上下関係ができているので、上にいる彼が下にいる貴女を見ても魅力的だと思えない。
(12)彼の機嫌取りをして文句も言わなかった格下の貴女はセフレに配置されてしまう。
普段から、自分と女友達を比べたり、自分と好きな男を比べたりして(どっちが上かな?)みたいな視点で裁いている人は、恋愛をしたとき、その思い癖が自分の首を絞めてしまう。
自己肯定感が高く、自尊心が満たされているイイ女、モテる女は普段から人と人を比べたりしない。自分と女友達を比べたり、自分と好きな男を比べたりして(どっちが格上か)なんて興味がないので考えない。彼女たちは普段からナンバーワンではなく、オンリーワンを探している。自分の中にある個性や魅力、周りの人が持っている個性や魅力、好きな男が持っている個性や魅力。それはまるで「色えんぴつ」を眺めるような感覚で、自分も含めたみんなを見ている。
色えんぴつに格上も格下もないのと同じで、人にはそれぞれ特有の魅力や才能があるのだから、それらは同じ線上に並べて「こっちが格上だね」と安易に判断できるものではない。イイ女、モテる女は普段の人間関係からその事実を知っているのだ。
確かに私は「黒」だよ。彼女の方が「赤」で華やかだけど、私は黒の良さを知っているから比べる必要なんてないんだよ。黒と赤を比べたところで順位なんて決められないでしょ。そもそも、何を基準に優劣を決めるの?
そりゃあ、私だって昔は「赤になりたい!赤が羨ましい!」って思ったことはあるよ。だけど年齢を重ねて経験が増えれば、私の黒を褒めてくれる人や認めてくれる人、「黒もいいよね」って言う人が現れた訳よ。そこで(あれ?黒って格下じゃないんだね。ならもう、赤になりたいともがくより、黒を極めた方がいいじゃん!)って分かったんだよ。
自分の黒は格下じゃない。彼女の赤は格上じゃない。
そういう「当たり前のこと」が分かるようになると、目の前に現れたイイ男が「爽やかな青」であっても舞い上がらない。「あ、この人は青なのね。爽やかでいいね。でも私の黒もハマる人はハマるんだから、私と彼は対等だわ」ってことが理解できる。
そうやって、普段から人に優劣をつけるのではなく、色えんぴつを眺めるように(この人は何色かな?)と興味を持って近付いていけば、相手は貴女を好きになる。
(この人は何色かな?)と思って近付けば、「〇〇ちゃんより私の方が格上よ!」という暑苦しさも出ないし、「〇〇ちゃんって格下だよね~」という傲慢さも出ない。
(この人は何色かな?)と思って近付けば、「格下の私は格上の〇〇くんを好きになりました。私を好きになって下さい」とはならないし、相手も「貴女は僕より格下なんですね。それなら好きにはならないです」とはならないし、「でもまぁ、エッチくらいはしてあげてもいいですよ」という展開にもならない。
自分も含めた、あらゆる人間を「色」で見る。
何度も言うが、色にはそもそも優劣がないので、貴女が人を色で見るようになったら、貴女の競争意識や人と比べる癖は徐々に改善されていくはずだ。
誰かを見たり交流したときに「私より上」「私より下」と無意識に裁いて仕分けるのではなく、「この人は赤」「この人は青」「この人は黄色」・・・そうやってあらゆる人を同一線上に置いていく。それが誰にも優劣をつけず、対等に向き合うってこと。
そして、赤の良さは分かるのに黄色の良さが分からなくて相手とうまく行かないのであれば、それは私が「黄色の奥深さ」を知らない=無知ってことだから、私が黄色の研究をすればいい。すべての「色」には奥行きがあって多面的なのだから、黄色の一面しか見えない私が未熟。「自分の視野が狭いんですよ。黄色を見る視点が少ないんですよ」というサインだと解釈する。
そういう感覚で普段の人付き合いができるようになれば、主観的、感情的に不安定になる恋愛でもうまく立ち回れるようになる。
恋愛でも人間関係でも、誰かと誰かを比べて優劣をつけている間は、自分のことも優劣で裁く癖がついて回るので生きるのがしんどいし、心も常に不安定になる。
そりゃあ、私も含めた誰だって多少は比べる癖はあるけれど、それが自分の心の平和を乱すくらい悪影響を及ぼしているとしたら、自分の幸せの為に、その価値観は意識的に変えていった方がいいのではないだろうか。
出会った人を顔だけ、身長だけ、収入だけ、〇〇だけで判断して優劣をつけているとしたら、【人間は多面的で奥深い生き物である】という本質を知らない人、感性が幼い人、知性がない人だということになる。人間を見極めるときに大事なのは、その人が持っている総合力だ。トータルで俯瞰してその人を見たときに、大好きな彼はどんな色を放っているのか。
彼が「青」で貴女が「赤」だった場合、結婚して家庭を持ったら「紫」になる。その紫が貴女の望む未来なら、貴女は彼に赤の良さをしっかりアピールすればいいし、彼という青の良さをとことん理解しようと努力すればいい。自分の理解力を上げていくのだ。「私、青を理解するのは得意なんです」そういう女になって欲しい。
青色を持った彼と対等の立場で、彼の方が格上だなんて絶対に思わず、「私の赤色だってすごくいいんだよ~。青もいいけど赤もいいよ」というスタンスで彼と向き合おう。好きな人と同じ目線で、引け目を感じたりせず、彼に堂々と赤を表現できる女になっていこう。
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