質問した相手が答えるまで、黙る。弁護士おススメの「沈黙力」

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「沈黙は金」ということわざ、日本では「べらべらしゃべっているよりもじっと黙っている方が美徳である」といったニュアンスで使われますが、「議論においては時に沈黙が必要な場面もある」というのが本来の意味なのだそうです。 今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では著者で現役弁護士の谷原さんが、相手に質問するときの手法として、答えを促すための「沈黙」の活用法を紹介しています。

質問か沈黙か

こんにちは。

弁護士の谷原誠です。

相手に質問しておいて相手が答える前にさらに話し始めてしまう人が意外に多いようです。例えば、

「この点についてはどう思う?」

と質問しておきながら、相手が答える前に、

「何度も言ってるようにこれは●●だと思うんだよね。そのことをわかってもらないと困るんだよ」

などと続けてしまう場合です。質問するという事は、相手にその質問した内容を強制的に考えさせるということです。相手は、質問されると、その質問に答えようとし、考えているはずです。それにもかかわらず、さらに話を始めてしまうことは、相手が考えてることを無視してることになり、相手に質問する意味がなくなってしまうということになります。

しかも、相手に質問したということは、相手の考えや意見を聞き、それに対してさらに議論を進めようとしての趣旨だと思います。その意味もなくしてしまうことになります。したがって、相手に質問したら、相手が答えるまでじっと待っていることが大切です。これを「クエスチョン・アンド・サイレンス」といます。

もし、ある程度待っても、相手が答えないようであれば、さらに、

「どう思う?」

とか

「どう考えてるの?」

追加で答えを促す質問をしさらに待つことです。自分の質問が抽象的すぎたり、答えにくい質問をしてしまったと感じたときには、途中でも質問を言い換えることが適切な場合があると思います。その場合には、相手に対し、「答えにくい質問をしてしまったので、質問を変えるね」と言って言い換えるのが良いと思います。

会話しているときに、沈黙があると、居心地が悪くなって、その沈黙を埋めようとして話し始めてしまう人がいますが、質問した場合には、相手が答えるまでは沈黙することが礼儀だと思います。

今回は、ここまでです。

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【著者】 谷原誠 【発行周期】 不定期

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