かつては「読書感想文」と呼ばれていたコンクールを、最近は「読書体験記」と呼ぶそうです。つまり読書とは、ただ本を読むのではなく、本を通じて仮想の世界で様々な経験を積むことでもあるのです。無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、読書習慣の大切さを訴えた上で、学力や偏差値向上との関係性を、実証データに基づき紹介しています。
「読書習慣」のすごい力!
読書をする子は何となく頭がよいのでないか。そんなイメージをお持ちの方もいると思いますが、「読書の時間と学力」の関係が最近になって明らかにされました。
「読書習慣」にはこんな可能性が 泡渕栄人(長井市地方創生戦略監)
読書の効用については、今年4月に川島先生が座長を務める仙台市のプロジェクトから「読書習慣と学力」の関係を示したデータが出ていますが、実に興味深いものになっています。
仙台市では全国学力テストの他に、仙台市標準学力検査や仙台市生活・学習状況調査を独自に行っており、今回の調査結果は小学生5年生から中学3年生を対象に、3年間分のデータをもとに出されました。
調査結果の中には「読書習慣と学力」についても触れられており、よく読書をする子供は学力が高い関係にあることが分析結果によって明らかにされています。
具体的には、例えば読書時間が長いほど成績がよく、読書時間と学力にはっきりとした関係があることが分かりました。
また、一日の読書時間が2時間を超えるとやや成績が落ちる傾向にあるようですが、一日に1時間から2時間読書をする子供は、全くしない子供に比べるとかなり高い成績を残しています。
さらに一日の読書時間と勉強時間、偏差値との関係を表したグラフを見てみましょう。例えば全く読書をしていない子供の場合、一日に2時間以上勉強をして、やっと偏差値50を超えることが分かりました。
一方、一日の勉強時間が30分から2時間未満であっても、一日に10分以上の読書をすれば、読書をせずに一日2時間以上勉強している子供より偏差値が高くなっていることも分かったのです。
つまり、学力向上のためには勉強だけではなく、計画的な読書習慣も必要であることをこの調査結果は示唆しているのです。
いくつになっても、読書の習慣を大切にしたいものですね。あなたは先月、何冊の本を手に取って実際にお読みになりましたか?
image by: Shutterstock.com