さて、特別徴収といえば介護保険料が主役! この介護保険料が年金から天引きされないなら他の社会保険料や個人住民税も天引きされないです。4月1日時点において65歳以上になると特別徴収の対象になりますが、すぐ年金から引かれ始めるわけではなく大体半年~1年くらいしたら天引きが開始されます。
しかし、以下の場合は特別徴収されません。主に、
ア.徴収される対象となる年金年額が18万円未満(全体の年金総額で見ない。老齢基礎年金から徴収してるなら老齢基礎年金のみで18万以上か未満かを判断する)
イ.何らかの原因で特別徴収対象の年金が停止
ウ.年金を担保にしている
エ.年金が差止め
の場合は特別徴収とはならず、普通徴収(毎月納付書で納める)に変更になります。基本は口座振替。ア.はすごく年金額低い場合ですが、それでも介護保険料とかは免除されるわけではないんですね。どんなに年金が低かろうが、非課税世帯であろうが社会保険料は納付しなければならない。
税や社会保険料の滞納が酷いと、「年金の差し押さえ」という事も普通に起こります。年金額が不自然に減ってる人を見かけますが、この場合は税金や社会保険料滞納による年金差し押さえが原因だったりもします。滞納にはお気を付けくださいね!
また、介護保険料については65歳以降は上記に当たらない場合は必ず特別徴収となり、希望で普通徴収(納付書での納付)にする事はできません。個人住民税も希望で普通徴収は不可ではありますが、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料は希望により普通徴収にしてもらう事はできる。
さて、この8月15日支払の年金額の社会保険料天引き額はすこーしイジる(調整)事があります。これを今日は言いたかったんですね(笑)。だから、この8月支払いの年金額が、天引きされる社会保険料の増減で変わる事があります。
なぜ、8月の保険料天引き額が変化するのか?
例えば、今年の介護保険料額が96,000円に確定したとして、仮徴収で4月、6月、8月に12,000円徴収するとします。
- 合計額は12,000×3=36,000円
で、そうすると本徴収10月、12月、2月に天引きする額は20,000円ずつになりますよね。96,000円から仮徴収した金額36,000円引いたら本徴収する総額は60,000円。
- 60,000円÷3回の本徴収=20,000円
ただ、仮徴収(12,000円)と本徴収(20,000円)の額に結構差が出ています。年金の特別徴収をする場合はあまりこの差が生じないようにだいたい1年間を通して平行な金額(平準化といいます)を徴収するんですね。10月からの年金からの本徴収金額を平準化したいから、8月支払いの年金から天引きする場合ちょっと8月の年金の社会保険料の天引きを多くしたり低くしたりします。
んで、上記の96,000円を使うと4月に12,000円、6月に12,000円、そして8月にとりあえずですが21,000円に多めに徴収すると、本徴収から天引きする額が1回20,000円だったのが1回17,000円となり、10月、12月、2月の本徴収は各17,000円になりました。
- 96,000円-(12,000円×2回+21,000円)=介護保険料残金51,000円(17,000円×3回)
これで仮徴収12,000円からの本徴収値上がり幅が1回20,000円から17,000円になってある程度狭くなりましたね!よって、仮徴収の時の12,000円と本徴収時の差が縮まる事で多少平準化する事が出来ました。