80年後の日本は
1931年、満州事変が起こりました。それから79年後の2010年、「尖閣中国漁船衝突事件」が起こり、日中関係は、ひどく悪化した。「なんとなく似ているかな?」と思いますが、30年代の日本と2010年代の日本は、別の道をいきます。
日本は30年代、孤立の道を驀進していた。アメリカ、イギリス、ソ連、中国を敵にまわしていた。しかし2010年代の日本は、アメリカ、欧州、ロシアと良好な関係を保っている。
もちろん、これは「勝手にそうなった」のではありません。民主党時代は、
- トラストミー鳩山さんが、日米関係をボロボロにした
- 野田さんの尖閣国有化で、日中関係は戦後最悪に
- メドの北方領土訪問で、日ロ関係は最悪に
ボロボロだった外国との関係を、安倍総理が丁寧に修復していった。おかげさまで、日本は今、孤立していません。孤立していないおかげで、日本人は、ゆっくり眠ることができる。
来るべき最後の試練
さて、30年代の指導者たちとは異なり、孤立を避け、非常にうまく進んでいる安倍総理。しかし、まだ試練はつづきます。
今年は2018年。79年前は、1939年になります。そう、「第2次世界大戦」がはじまった年。今年、「第3次大戦」ははじまっていませんが、「米中貿易戦争」は、はじまりました。アメリカは、「中国は100万人のウイグル人を拘束している!」と人権がらみの「情報戦」も開始した。さらに、台湾支援も強めている。米中共に、「敵国を破壊しつくせるだけの核兵器」をもっている。米中が大戦争(大戦闘)に突入することは難しい。それで、「経済戦争」がメインになっているのですね。
さて、1940年、日本は決定的なミスを犯しました。それが、「日独伊三国同盟」の締結。日本は第2次大戦がはじまった後、「負ける側」についてしまった。これは、本当に大きなミスでした(4つ目の間違い)。
現代にあてはめてみると?第2次大戦勃発から79年目にあたる2018年、事実上の第3次大戦といえる(?)米中貿易戦争がはじまった。安倍総理は、習近平に説得され、日中関係が劇的に改善されてしまった。
安倍総理と習近平は、「共同で、保護主義と戦っていくこと」(つまり、アメリカと戦っていくこと)を宣言した。こういうことがあると、総理、いままでの努力は、すべて水の泡です。
今の世界情勢を見て、1930年代と比べると、現在のアメリカは、落ち目の覇権国家イギリスの役割でしょう。中国は、ドイツの役割です。中国は、負けるのが確定ですので、安倍総理はくれぐれも中国側につかないよう、お気をつけください。
「アメリカにつくの?中国につくの?」
これ、1930年代でいえば、「イギリスにつくの?ドイツにつくの?」という質問と同じ。まさに、日本は今、「歴史的岐路に立っている」といえます(1930年代、すでに日本と対立していたイギリスにつくという選択肢はなかったかもしれません。しかし、ドイツと同盟を組まないことはできました。ABCD包囲網で石油を輸入できなくなった。その時も、真珠湾を攻めず、欧州のアジア植民地だけを攻め、石油をゲットし、そこでストップすることもできた。「ルーズベルトは、「戦争不参加」を公約に当選したので、日本がアメリカ領を攻めなければ、日米戦争をはじめることはできなかっただろう」と、倉山満先生は、しばしば指摘しています)。
総理は、中国に行き、「民主党政権の時代、日中関係は戦後最悪になりました。しかし、最近は、徐々に両国関係が好転しつつあり、大変うれしく思います。では、さようなら!」といって、戻ってこればいいでしょう。くれぐれもトランプさん、アメリカを批判なさらないよう、お気をつけください。
image by: 首相官邸