いじめ撲滅に本気で乗り出した文科省と、教育現場の呆れる本音

 

この日の議題である第三者委員会のいじめ調査報告書についても様々に意見が交わされました。その中でも、

  • 第三者委員会の調査報告書が後に裁判になったときに使われるのではないか
  • 後に裁判に使われることを念頭に調査報告書を作成すべきではないか

との意見が印象的でした。教育現場にいる方の本音としては、教育委員会が設置した第三者委員会がいじめ等を認めた結果、被害者側から市町村等を相手に裁判を起こされるのは不当だということなのでしょう。しかし、いじめがあって重大事態にまでなってしまった以上、責任を負うべきことは当然です。市町村等が裁判で不利にならないように調査報告書を作成するとしたら、第三者委員会によるいじめの隠蔽にほかなりません。なお、この意見に対しては、他の委員から、「裁判に調査報告書が使われることを意識することは間違いと一蹴されていました

今回、いじめ防止対策協議会の傍聴を中心に述べてまいりましたように、文科省そして教育委員会の姿勢は変わりつつあります。教育委員会から、学校に対して「いじめがあったらごまかさないでちゃんと報告しなさい」という指示が出るようになってきています。それに比例して学校でのいじめ解決が早くなっています。ただ、まだまだ浸透しきれていない学校も多く、いじめに悩んでいる子供たちや保護者がいます。お子さんのことでご心配なことがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。

いじめから子供を守ろう ネットワーク
井澤一明 松井妙子

image by: Shutterstock.com

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