M-1グランプリ炎上騒動、上沼恵美子の「軽率」だったコメント

 

不適切な動画が流れてからは2人に対する批判一辺倒になったが、それまでは上沼恵美子さんの採点やコメントを批判する人も少なくなかった。もともと上沼恵美子さんのことを批判的に見ている人は少なくないと思われるが、今回、敗者復活枠の発表が行われる前に「ミキが来て欲しい」とコメント。その後、ミキが敗者復活枠で決勝進出を果たして7番目に登場すると98点と高得点を付けた。「ひいきしているわけじゃないんですよ」とコメントしているが、審査員としては極めて軽率なコメントだったと言わざるえない。

過去の大会を見るとわかるとおり、上沼恵美子さんが評価するのは正統派の漫才である。2人の言葉の掛け合いが中心になる漫才を評価する傾向にある。その一方で「リズム漫才」とも言われるジャルジャルのことはあまり評価しておらず、今大会もジャルジャルに対する評価は低かった。さらには「ドツキ漫才」とも言われるカミナリに対しては過去の大会でそのスタイルに苦言を呈している。女子高校生の頃から漫才師として活躍してきた人なので昔ながらの漫才を高評価しがちであるがある意味では分かりやすい。

決勝進出を果たした10組の中ではミキは「正統派に近い漫才」になる。「コント風の漫才やリズム漫才ではなくて正統派に近い漫才をするミキ」を上沼恵美子さんが好意的に見るのは当然なので、決勝の舞台でかなりの笑いを生み出したミキに高い得点を付けたことは驚きではないが、「ミキが来て欲しい」、「ミキが好き」などとコメントしてしまうと「単なるえこひいき」と捉える人がたくさん出てくるのは当たり前の話である。これだけのキャリアのある人にしてはあり得ないほど迂闊なコメントだったと思う。

とは言っても、「ミキが好きだから高得点を付けた」、「えこひいきだ」というのは全く正しくないと思う。「ミキが来て欲しい」というのもサービス精神から来たコメントであり、場を盛り上げるためのコメントだったと思う。「昔の上沼恵美子ならば迂闊で軽率なコメントはしなかった」、「感性が鈍ってきた証拠」という見方はできると思うが、これほどのキャリアを持った人で、かつ、大会の審査委員長的なポジションの人が個人的な好き・嫌いで採点をするというのはあり得ない。邪推するのも愚かなことだと思う。

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