人付き合いが苦手で孤立した高齢者の始めたゴミ拾いの意外な結末

 

人と話しをするのが苦手で、特に趣味も特技もない自分にもできることとして、毎朝ご近所を回って道路や公園川辺のゴミを拾うことを始めました。誰が褒めてくれる訳でもないけど、きれいになった道路や川辺を見て、自分が何かの役に立っている実感があって、以前のようなむなしさは消えて行きました。

そして、そういう姿は、必ず誰かが見ているものなんですね。そのうち、朝散歩をしている方から、「いつもご苦労様です」と声をかけられるようになり、お天気の話など、簡単な会話を交わすように。さらに、あるとき、同じ年代の男性から、自分もいっしょにゴミ拾いに参加してもいいですか?と声をかけられ、いっしょにゴミ拾いをするようになりました。地域を分担して、最後に合流して、缶コーヒーを飲みながら、少し話をするようになりました。

そのうち、私も参加したいという人が現れて、今では、4人のグループになっています。毎日、4人でゴミ拾いをしているので、その地域はピカピカ、そんなに拾うゴミもないので(ゴミがないところにはゴミが捨てにくいので捨てる人も減るのです)、そのうち、散歩が主になりましたが、散歩しながら少しづつ自分の話もするようになり、あまり、お互いの事情に踏み込まないけれど、今日の無事を確認し合う仲間」ができました。

仲間をつくりたいと思って始めたゴミ拾いではありませんが、それを黙々と行っているAさんの姿に共感し、自然にできた仲間なので、そんなに饒舌に話をする必要も無く、人付き合いが得意じゃないAさんにとっても、負担がないつながりができたのです。

コミュニティ行事に参加して積極的に人と付き合うのは苦手だけど、どこかで不安や孤独を感じている人は、自分にとって負担にならない形での周りへの貢献をやってみることです。その行動が、同じような感性の人を引きつけ自分にとって居心地がいい仲間ができます。自分から積極的に会合に参加したり、がんばって話しかけたり、名刺を配ったり、ということが苦手でもいいのです。

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