心理学者が解説。ディズニーランドに行くと元気になる明確な理由

shutterstock_1057927664
 

人生に終りがあることを頭では理解していても、ときどき永遠に続く循環の中にいるような気持ちになることはありませんか?これは自転や公転、地軸の傾きなどを源泉とする「サイクル魔法」の賜物と説くのは、心理学者でメルマガ『富田隆のお気楽心理学』の著者、富田隆さんです。人が活力をもって明日も生きていくために作り出した「サイクル魔法」。実は、ディズニーランドも用いているそうです。

サイクル魔法「終りなき世のめでたさを…」

サイクル魔法の源泉は大自然にあります。私たちが住む地球という惑星は、およそ24時間で一回転。さらには太陽の周りをおよそ365日で一周する。ちょっと地軸が傾いているお陰で、一年間で春夏秋冬がひと巡りするようになっています。そういう繰り返しの中で生きている。そして私たち人類は、カレンダーを発明して、曜日も発明して、私たちがあたかも「永遠のサイクル」の中で生きているかのような錯覚、いや、社会的な共同幻想を創ることに成功しました。

お正月は、もともとカレンダーの仕掛けによって決められた行事ですから、このお正月という儀式には、サイクルの魔法を解く力と同時にサイクルの魔法をかける力も備わっています。「一月一日」という文部省唱歌は、次のように詠っています。

年の始めの 例(ためし)とて  終(おわり)なき世の めでたさを  松竹(まつたけ)たてて 門(かど)ごとに  祝(いお)う今日こそ 楽しけれ

この歌では、門松は「冥土の旅の一里塚」などという縁起の悪いものではなくて、「終りなき世」を祝うための、めでたい標(しるし)とされています。一年というサイクルが一巡して、また新しい年が始まり、この循環の輪は永遠に回り続けて終ることが無い。これを象徴しているのが門松なのだから、めでたい、めでたい、というわけです。

とは言うものの、よく考えてみると、それだけじゃめでたいとは言えません。確かに一日、ひと月、春夏秋冬、一年、と時間の方は永遠に繰り返して終りがないとしても(科学的に考えれば、宇宙のゼンマイはどんどん緩くなっていき、やがては地球の自転も公転もゆっくりになり、宇宙全体が熱的平衡という死んだような状態に向かう可能性が高いのですが)、私たち個人個人は束の間の生涯を終えて早々に退場しなきゃならない。終りなき世に終りを迎えるのが私たちの人生なのですから、あまりめでたくはありません。

print
いま読まれてます

  • 心理学者が解説。ディズニーランドに行くと元気になる明確な理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け