心理学者が解説。ディズニーランドに行くと元気になる明確な理由

 

「輪廻転生」

これを救ってくれるのが「輪廻転生(りんねてんしょう)」的な考え方です。つまり、日の出と共に朝が来て、やがて夕日が落ちて夜が来るけれど、また明日になれば、太陽は復活して朝になる。これと同じように、私たちはやがて人生を終えこの世から退場するけれども、また時を経てこの世に生まれ変わる、と考えるのです。

輪廻転生的な再生を信じている人は、現在でも決して少なくないはずです。ヒンズー教徒や仏教徒の大半は、何となく「そんなこともあるんじゃないかな」という世界観を共有しているはずです。日本の古代の人々も、人間は生まれ変わって、あの世とこの世の間を何度も行ったり来たりするものと考えていました。

しかし、ユダヤ・キリスト教などの一神教を信じている人たちは、原則、輪廻転生を信じていないはずです。最後の審判により、この世の終りに生き返るのは「復活」であって、輪廻転生ではありません。一回きりで「繰り返し」はないのです。

彼らが中心になって創り出した自然科学の描く世界像も、ビッグバンのような始まりがあって、やがて、熱的平衡のような終りを迎える。そこに繰り返しはありません。そして、現代になると、ヒンズー教徒であれ仏教徒であれ、世界中の人々が科学的な教育を受けることによってこの考え方に変わりつつある。そうなれば、サイクルの魔法もその効力を失ってしまいます。 でも、本当にそうでしょうか?

ディズニーランドに潜む「死と再生」の神話

以前、『ディズニーランド深層心理研究』(KOU BUSINESS)という本の中で、「ディズニーランドには『死と再生』というテーマが隠されている」と書いたことがあります。例えば、「カリブの海賊」。船に乗って水路を進んで行くと、私たちは最初に死んでしまって骨になった海賊の姿を見せられます。骸骨と化した海賊がまばゆい財宝の上に宝物を手にしたまま執念深く座っていたり、嵐の中で幽霊船の舵輪を操縦しているのも骨だけになった海賊です。そこは生命の気配がない死の世界です。

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