スーパー不振の中、「成城石井」が絶好調であり続ける納得の理由

2019.02.18
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大型スーパーの不振が叫ばれて久しい昨今ですが、そんな逆風を跳ね返しているのが、現在ローソン傘下のスーパー「成城石井」です。その高級感のある品揃えと、駅ビル・駅ナカにある便利さが評判の同店は、いかにして世田谷・成城学園前から全国へと展開していったのでしょうか。フリー・エディター&ライターでビジネス分野のジャーナリストとして活躍中の長浜淳之介さんが、現地に直接足を運んで取材を重ね、その人気の秘密について詳しく紹介しています。

プロフィール:長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)、『バカ売れ法則大全』(SBクリエイティブ、行列研究所名儀)など。

成城石井は「高級スーパーではない、高品質なスーパーです」

成城石井(本社・横浜市西区、原昭彦社長)は1927年創業の老舗食品スーパーながら、商品のSNSでの人気は流通業界トップクラス。おしゃれで、おいしくて、幸せになれる商品が揃った店というイメージが浸透して、常に話題を提供している。伝統があって、かつ新しいという稀有な企業文化を有している。

現在、同社はローソン傘下にあるが、ローソンの2019年2月期第3四半期決算によれば、営業総収入630億6,000万円(前年同期比6.0%増)、セグメント利益は48億5,000万円(同7.5%増)となっており、スーパー不振と言われる状況下、逆風を跳ね返し客足は好調だ。

今の消費者は価格に敏感、1円の値上げにも目を光らせているように見える。ところが成城石井の商品は、全般に決して安くはないにもかかわらず、買うに値する価値があると消費者に強く支持されている。店舗数は首都圏を中心に近畿、中部、仙台にも広がり、166店を数える。

成城店(創業店)外観

「弊社は世田谷区の成城学園前という、大学の先生や映画関係者、会社の経営者、経済人が集まる上質な住宅街で、果物などを売る食料品店として発祥しています。一昨年、90周年を祝いました。土地柄、目も舌も肥えた、ちょっとやそっとのことでは納得していだだけないお客様のニーズにお応えしてきたので、今日のような独特の品揃えにつながったのです」

と、成城石井の強さの背景を語るのは、成城石井執行役員コーポレートコミュニケーション室・五十嵐隆室長。

確かに、成城の土地柄を抜きにして、同社の高品質の品揃えはあり得なかっただろう。もう1つの理由としては、76年にスーパー化されて以来、小田急沿線の地場スーパーである小田急OXとの競合を回避しなければならなかった。そうした事情で鍛えられ、独自性のある商品を開拓して、成城石井なら間違いないと考える良質な太い顧客を獲得してきたのだ。

スーパーマーケット化した1976年当時の成城店

スーパーマーケット化した1976年当時の成城店

五十嵐氏によれば、「品質の確かなものをお求めやすい価格で販売しているので、高品質なスーパーです。よく間違えられますが、高級スーパーではないです」と断言する。

たとえば、ワインは直輸入を行っており、同じ銘柄が他のスーパーや酒屋より、安いケースもしばしばある。今後、日本とEUとの間で締結されたEPA(経済連携協定)によって、益々ヨーロッパからの輸入品を安く売ることが可能になる。成城石井に追い風が吹いている。

トレンドに先立って商品開発するのも得意である。

先般SNSで話題になった東南アジア、マレーシアのスイーツ「モーモーチャーチャー」は、成城石井でなければまず売っていない商品だ。2015年3月に発売して以来、月に3万個を売り上げるという、ヒットとなった。変った語感の商品名だが、「ごちゃ混ぜ」を意味するらしい。

モーモーチャーチャー

モーモーチャーチャー

商品は2層になっており、ココナッツブラマンジェの上に、サツマイモの甘露煮、ヒヨコ豆、赤エンドウ豆のかのこ、羽二重餅が乗っており、混ぜ合わせて食べる。ヨーグルトのようななめらかなとろみがあり、ミルクのように甘くてしょっぱいユニークな食感がある。

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