日本企業に蔓延する「ビジネス謎ルール」が国の衰退を加速させる

 

しかし、多くの「謎ルール」は問題があると思います。例えば、日本独特の習慣として宴席での「お酌」というのがあります。これは今でも昔とは変わらない感じであります。ですが、最近は「ビールを注ぐ」際に、「ラベルを上にしなくてはいけないという「新ルール」が加わっており、これをやらないと「目上の人が怒る」というケースがあるようです。

理由は、その方が見栄えが良く丁寧だというのですが、これは90年代まではなかったルールだと思います。ルーツとしては2つ考えられます。1つは、昔から銀座や北新地など「夜の街で見られた習慣で、特に格(値段)の高いクラブで、「ママさん」がやっていた酒の注ぎ方のマナーを誰かがマネをして広めた可能性です。もう1つは、パワハラ系の体育会などでやっていたのがルーツという説があります。いずれにしても、ビジネスの世界の上下関係に、こんな細かいルールを持ち込むのは考えものだと思います。

一部は、キリンの瓶しかないので、サントリーの社員に出す際には、ラベルを「下向き」にするという(勿論その逆もあり、サッポロやアサヒも)ルールもあるそうですが、これもバカバカしいとしか言いようがありません。ケイレツ取引を強要するという意味では独禁法違反ですらあります。

あとは、乾杯でグラスなりジョッキを合わせる際には、「偉くない人偉い人の下から合わせるというのもあります。これも昔はなかった謎ルールです。乾杯というのは、一斉に音なり掛け声をかけて、ある種の喜びを表す「一体感のためのセレモニー」です。若い人がそんな中で「自分のグラスが上にならないように気遣う」などという「冷めた計算」を強いられるのは、もはや乾杯とは言えない感じもします。

飲み会の謎ルールとしては、日本酒を徳利で注ぐ場合は「注ぎ口」が上になるようにわざと反対に持って、「注ぎ口でない側で注ぐのが丁寧だという「新ルール」も出現したそうです。理由が実に奇妙で、「注ぎ口には毒を塗ってある危険があり、それを避けるように反対にするのが丁寧」だというのです。

ですが、江戸時代の話としてもそんな「毒殺」の伝説などというのは聞いたことはありません。もしかすると韓流ドラマの宮廷陰謀シーンなどの影響かもしれません。とにかく、この「徳利を反対に」というのも、最近では一部にこだわる人がいるらしいので困ったものです。

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