上手く話せなかったと悩む人に贈る、失敗しない説明のテクニック

 

そして、もうひとつ、たまたまうまく話せた要因として考えられるのは、与えられた話のテーマと規模が、自分に合っていた、ということです。前回の記事でもお話ししましたが、どんなに話し下手でも、質問されれば上手く話せることがある、というのは、話すテーマと規模を、相手が質問という形で、限定して提示してくれているから。

ここのところ継続的にお伝えしている「横着ファイリング話法」でいえば、相手が、あらかじめ名前の付いた空フォルダーを準備してくれたから、しかもその空フォルダーの大きさが、ちょうど自分の頭の中、持っている情報量に合ったから、なんですよね。

これを応用したのが、「一人しゃべりを続けるコツ」です。「一人しゃべりを続けるコツ」という記事を公開したのは無料メルマガ時代の、もう10年以上前になりますが、要は、相手が質問してくれるから話しやすい、のであれば、自分が自分に質問する形にすれば、永遠に自分ひとりでしゃべり続けられるんじゃね?ってことです。こちらも詳しくは、過去記事をご参照ください。

この「一人しゃべりを続けるコツ」も、「横着ファイリング話法」で言えば、自分であらあじめ空フォルダーを用意することと同義だと思います。

いずれにしても、この「話す枠」「空フォルダー」自分で用意できないと、いつまでも、偶然頼み、つまり「再現性に欠く」話し方にならざるを得ません。これでは真の話し方を磨く訓練にはなりませんよね。

話しながら頭の中を整理しテーマを抽出する会話術

では、前回の続きです。想定していないテーマの話をしなくてはならない状況で、頭の中がまだぼんやり意識の状態です。この話の結論を自分で導いた経験や、実際に話し言葉に変換した経験がないにもかかわらず、

  • 即答で話しながら
  • 自分の考え=持論を展開し
  • 説得力のある「形」に仕上げていかなくてはなりません

そんなときには、「話を作る過程をも話して聞かせてしまう」んでしたよね。即答で話し始めながら、同時に、自分の頭の整理のための情報・考えの洗い出しをしてしまえばいいのです。

例えば前回記事の例で「人口減少化とわが社」という、想定外の質問に対して答えるとすれば、「日本の人口減少は現状では避けられない、という前提で話しますと、原因は、少子化、高齢化、それによる問題点としては、国内消費・マーケットの縮小、国際的な競争力・影響力の減退、労働力の不足、地方の過疎化、都市部への人口集中など、いっぽう我が社はといいますと、まず現状では、主力事業が〇〇、××、企業哲学は…、得意とする分野は…、売り上げ収益の国内外の比率が…などなど」

話すことで自分の理解を促進しつつ、まずはテーマの洗い出しをしてしまう、「横着ファイリング話法」で言えば、話の枠=空フォルダーだけを、たくさん作ってしまうわけですね。

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