上手く話せなかったと悩む人に贈る、失敗しない説明のテクニック

 

このようにして、話のテーマになり得るワードを列挙していると、これが、自分の頭の中の整理になるだけでなく、持論を導くための、考える時間稼ぎにもなっています。

ここで、今、自分が問われていることは何か?相手が聞きたがっていることは何か?を、もう一度強く意識してみましょう。相手からの質問に答えるような状況であれば、質問の意図を汲んで、的確に返答しようとしてみましょう。

これには、話の要素を列挙して一旦広げてしまった話の規模を、改めて絞り込む効果があります。そしてこれこそが、話の全体枠を自分で設定することにつながっていきます。

そうしているうちに、自分の中で、何か思う所、ひらめきが生まれませんか?例えば、今、自分が列挙した中で、一番情熱を込めて話せる要素はこれ!とか、今、自分が列挙した要素を、ひとつの性質でまとめるとしたら、こういうこと!とか、あるいは、そういえば、先日の朝礼で、部長がこんなことをお話しされていましたが…とか。

そうです、それこそが、今話すべきテーマ、話の枠=実際に使う空フォルダー、になります。空フォルダーだけ作って、使わない要素もたくさんできましたが、もうこの段階では放置しておきましょう。新しく作ったこの話の枠=空フォルダーのタイトルが、今から自分がする話の本質になります。ここから話を膨らませていきますよ。

では、上記の設問に戻りますね。与えられたテーマは、「人口減少化とわが社」なのですが、今、自分が問われていることは何か?に改めて意識を集中してみると、このなかには、言葉になっていない、言語化されていない主旨、質問の本質が含まれていることに気づきます。

それは、「将来のわが社は、どうあるべきか?」が問われていて、その本質に対して的確に答えていれば、人口減少は、ひとつの切り口に過ぎないのだろう、ということです。ですからここでは、「将来のわが社は、どうあるべきか?」を話の全体枠に据えることにしましょう。

この全体枠を成立させるためには、どういう要素が必要になってくるのか?と考えて、既に提示した各要素を、全体枠に合うように並べ替えればいいわけです。

とすると、例えば私なら、問い「将来のわが社は、どうあるべきか?」人口減少時代、国内マーケットの縮小のリスクに備えるために、海外展開の拡大を急ぎたいところでもありますが、答え「日本国内でのプレゼンスの確立こそ、急務」。理由「それが、海外マーケットにおける何よりの強みになるから」。「価格競争で負けた歴史、世界的な中流層の増加、安い粗悪品ではなく本物の価値あるものにお金を使う傾向、メイドインジャパンのブランド力…」。

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