ダメだとわかっているのに、日本で差別がなくならない独特の理由

 

最近、気がついたことなのですが、うちの子たちも、そしておそらくはその友達の子どもたちも、彼らは、色でまったく認識していません。髪の毛、肌、目の色を、まったく覚えていない。もう、そういうフィルターで見ていないんです。 それよりも「いつもおっきなこえでさわいでるこ」とか「きゅーきゅーしゃ(のおもちゃ)をらんぼうに、ふりまわすこ」と、キャラクターで覚えている。 いいことなのか、どうか、断言はできません。でも、個人的には良かったとも思います。「人は見た目ではない」「国籍、人種差別をしてはいけない」を地でやっている。自然と身につけている。

理屈は立派に備わっている日本人

日本に一時帰国した際、世界でも稀にみるインテリ大国である母国は、国民全体が、正しい理屈を持っている。正解を知っています。 例えば。LGBTQ、性的マイノリティーの方々に対して、差別してはいけない。日本国民、常識ある成人はみんなそのことを理解している。例えば、国や宗教、肌の色で、差別をしてはいけない。これも知っている。平均的な日本人は、みんなが口を揃える。

差別のシーンだけでもありません。例えば「年齢」。ちゃんと、みなさん、言います。「年齢なんて関係ない、人は夢を諦めた時に老いていくものだから」「年齢なんてただの目安。歳で人を判断してはいけない」。おそらく、1億人以上が、聞けば、そう言う。 例えば、英語学習。「英語なんて、しょせんは道具。通じるためのコミュニケーションのツールだから、文法や発音なんて大した問題ではない」「文法の勉強は得意なんだよね~、日本人。でもいざとなった時に使えないと意味がない」。僕の知っている日本人はみんなそう言います。

結局、先進国の中でも、教育がもっとも普及している日本という国は、正解をとっくに国民全員が共有している。間違えている理屈を持っている人は、極端に少ない。理屈だけは。 その一方で、いまだに同性愛者を揶揄するバラエティ番組が問題になったり、外国人労働者の育成に対し、消極的な企業がニュースになったり、一般職にも関わらず、雇用に年齢制限があったり、完璧を求める英語学習の姿勢が外国人講師から指摘されたり、の現実もあります。 それって「やさしくて誠意がある人がタイプです」と言っておいて、のきなみ野球選手と結婚する女子アナみたいなもんか。違うか。単純に「本音と建前」論なのでしょうか。

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