【ぼやきが最高】おやじのおやじによるおやじのためのレシピ講座が味わい深い

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発行者・ジミヘンさんのおとぼけが人気の無料メルマガ『おやじのための自炊講座』まぐまぐ大賞2014グルメ・レシピ部門で3位に入賞したこちら、タイトルどおり料理があまり得意じゃないお父さん方でも簡単に作れてしまうレシピはもちろんですが、冒頭の「ぼやき」が実に味わい深いと評判です。今回は最新号をお見せしましょう。レシピは最終章の『ダンカイおやじの日記』内にて!

ダンカイのカイダン~ 本と映画と料理があればシアワセ

皆さん、お元気ですか。ジミヘンです。

■書店で何気なく文庫本を手に取った。原田マハ著「キネマの神様」。
帯には大仰にこうあった。「いちばん輝いている作家の、いちばん感動する物語~無職の娘とダメな父。ふたりに奇跡が舞い降りた!」
どうやら映画好きの親子を主人公にした小説らしいが、それにしても、“感動”や“奇跡”の押し売りはいただけない。
この著者が男性なのか、女性なのか、それすらも分からない。

『39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。』(文庫本裏表紙の解説より)

ストーリーを追いながら、私は「映画評論」と「ブログのパワー」について思考を巡らせる。歩女史の父はひょんなことから”ゴウ”のハンドルネームで、ブログ「キネマの神様」(通称:キネガミ)を始める。
しかも、それが大評判を呼ぶという設定だが、ブログ歴10年を超える小生は首を傾げる。

■そもそも映画評論って何だ? 対価を期待しない素人の映画マニアは、好きな作品の感想を熱く語り、自分の感性に合わなかった映画のことは書かなくても良い。しかし、プロの映画評論家は多分、違うだろう。課題の作品を試写室で観て、当たり障りのない言葉で(周囲の顔色を伺いながら)当たり障りのない評価を下す。
評論家という人種に偏見をもっている。美術評論家、映画評論家、音楽評論家など。自分では生みの苦しみを経験せずに、「今週のオススメ」「今週のダメダメ」なんて言っていればよい。そんなに言うのなら自分で撮ってみろと言いたい。自分で絵を描き、作曲したらよい。できない者が上から目線で評論するんじゃない。
つい語気を荒げてしまうが、私だって(恥ずかしながら)食べ歩きレポートで同じようなことをブログにアップしている。「凡庸な味、個性を感じられない」云々。
だったら自分で作ってみろ。

こんなことだから小生の食べ歩きブログはアクセス数が伸びない。当然であろう。逆に、ひたすら「(゚Д゚)ウマー!(゚Д゚)ウマー!」「猛烈にうんまーい!」を連呼するブログは概して人気が高く、スポンサーがついて”提灯記事”(のようなもの)を書くことになる。

■老映画ファンのゴウが足しげく通う名画座があった。館主のテラシンは、ひたすら名画をかけ続けるが、客足は遠のくばかり。おまけに近くにシネコンのオープンが迫り、閉館を覚悟する。
映画はDVDで観るもんじゃない、映画館のスクリーンで観るものだ、と彼は言うけれど古い作品ばかりやっている映画館もどうかな・・。

後半、ゴウの映画評論に噛みついてくる者が現れる。英語圏に住むローズ・バッドなる謎の人物であるが、その正体はあの老人であろうか、それとも例の青年であろうかとワクワクしたが、期待は裏切られた。権威のある(米国の)映画評論家であったと云うオチ。首をひねった。またしても、プロの“評論家”の登場だ。

やや期待外れに終わったこの小説であるが、一か所だけ胸が騒いだ。
それは「ニュー・シネマ・パラダイス」について書かれた文章だった。
(この映画は、私の娘がいちばん愛した作品だ。彼女は映画に感激して、シチリア島まで追いかけていった。)

『胸に染み入るオープニングの音楽が流れ出す。イタリア映画らしい、幸福感と哀愁がブレンドされた、ピアノとヴァイオリンの響き。
ベランダの白い手すりの上の植木鉢に寄っていたカメラが、ゆっくりと後ろへ引いていく。潮風に大きく揺れるカーテン、テーブルの上に山盛りになったレモン。やがて、シチリアらしい、海を見渡す窓辺が現れる。その明るさ、その心地よさ。画面に見入るうちに、潮風がそよ吹くシチリアの白いベランダへと、あっというまに連れ去られてしまう。オープニングのクレジットが流れるあいだに、私の旅はもう始まってしまった。』(「キネマの神様」より抜粋)

ジミヘンの関西味めぐり

大衆酒場「十三屋」@大阪・十三

昼酒でも飲もうと、阪急十三駅で下車。昨年火災に遭った“しょんべん横丁”は、まだまだ復興半ばだ。
人気だった庶民居酒屋「十三屋」が東口へ移転再開したと聞き、訪問してみた。「小きんきの塩焼き」が抜群の美味さだった。

「移転した十三屋で、昼酒」

ダンカイおやじの日記

●月●日

昨年の「NHK紅白歌合戦」の平均視聴率は43%ほどだったらしい。
91才の母親に訊いてみると、テレ東の「年忘れ にっぽんの歌」を観ていたとのこと。紅白は若いグループばかりで面白くないと言った。

サザンオールスターズの桑田氏がチョビひげ姿で登場し、“ピースとハイライト”という曲を歌った。
歌詞のいくつかにハッとした。
「教科書は現代史を やる前に時間切れ
そこが一番知りたいのに 何でそうなっちゃうの?」
「都合のいい大義名分で 争いを仕掛けて
裸の王様が牛耳る世は・・狂気
20世紀で懲りたはずでしょう?
くすぶる火種が燃え上がるだけ」
冒頭のチョビひげは、ヒットラーを連想させた。

●月●日

正月料理として“角煮”を作ることにしたが、長時間煮込むのは面倒だ。
そこで、ポリ袋真空調理法を応用することにした。
※料理レシピ 「ポリ袋を使った豚の角煮」

●月●日

とにかく安心できるコールスローサラダを作りたい。好物の“ゆり根”と“とりささみ缶”を使うことにした。
※料理レシピ 「コールスローゆり根サラダ」


ジミヘンさんによる人生幸朗師匠の「責任者出てこい!」ばりのぼやき、いかがでしたか?2000人以上の方が登録、毎週楽しみに待っているというのも頷けますね。さあ、あなたもJoin!

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