三原じゅん子「初入閣の夢」が儚くも散った、政界の冷酷な現実

 

ジャーナリスト、安積明子氏のインタビューに対し、三原氏は発言の意図をこのように話した。

「私とて、この言葉が戦前に国威発揚のために使われたことは存じております。そしてあの戦争が日本の歴史に悲劇をもたらしたことも十分に理解しているつもりです。…そもそも『八紘一宇』の本来の意味は…『世界のすみずみまでもひとつの家族のように仲良く暮らしていける国にしていこうではないか』という建国の理念です。私はこの言葉に本来の意味を吹き込み、古来より日本が持っていた『和』の美徳をもういちど蘇らせたい」

戦争にのぞんで国威発揚するために使われた言葉であることを承知しながら、その本来の意味は世界が仲良くということだと勝手に解釈して、国会で滔々と論陣をはった三原氏の度胸は驚嘆すべきである。

もし大臣になっていたとしたら、この発言に対する認識があらためて問われるところだった。

「恥を知りなさい」は安倍首相をむやみにかばい、ほめたたえ、「八紘一宇」は安倍首相の歴史に対する挑戦を三原氏なりに支援するつもりで、あえて国会を舞台に吐き出したセリフなのだろう。

しかし、三原氏の思いが強いほど、国会乗り切りに血道を上げる安倍首相と側近たちには危ない存在に映る。そして、入閣の夢ははかなく散ったのだ。

政治の冷酷な現実を受け止め、三原氏は過去の亡霊のごとき、来し方の発言ひとつひとつを振り返り、深く静かに噛みしめてみてはどうか。

image by: 三原じゅん子 - Home | Facebook

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