在職中に年金を繰り上げて受給しようとすると何が起きるのか?

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60歳で定年を迎えた場合、そこからの数年間は「無年金期間」が生じるようになりました。そのため継続雇用で無年金の期間を補うことが一般的です。年金の繰り上げを行うことで無年金期間はなくすことができるのですが、そこにはペナルティが生じます。そこで、今回の無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』では著者のhirokiさんが、年金の繰り上げを行い60歳から年金を貰っている人がそのまま働き続けた場合の年金額の変化を紹介しています。

無年金期間を作らずにペナルティが大きい繰上げ年金と給与で収入を考える場合

年金貰う年齢が上がっていき、昔と違って60歳以降に無年金期間が生じるようになりました。それ故に無年金期間を継続雇用で補って、完全な年金生活まで働くというスタイルが普通になってきました。

なお、65歳以降も働くという傾向が多くなってきたので、65歳以降も年金を貰わずに更に年金受給を遅らせるという選択も一つの形になってきました。65歳以降の年金受給を遅らせると、その結果として年金を増やす(年金の繰り下げ)というメリットはあります。結構毎回言ってきましたが、1ヵ月遅らせるごとに年金が0.7%増えていきます。最大65歳から70歳まで60ヵ月使えるので、42%の年金を増やす事ができる。

しかし、年金の繰り下げは何かと制約が多く、うまく年金が増えている人は稀です。年金の繰り下げ自体を使ってる人もほとんどいない。単に、65歳以降の年金を貰うのを遅らせて我慢するだけですが、利用者は2%未満。

 どうして年金の繰下げはうまく機能しないのかの重要な理由事例など(2018年11月有料メルマガバックナンバー)

最近は75歳まで拡大しようという動きがありますが、ただ遅らせればいいという我慢以外の様々な制約があるから利用するとすればほんの一握りの人になるでしょう。

ところで、60歳以降に無年金期間が生じるので、貯蓄または働くという事が必要にはなってきますが、60歳になれば請求によりさっさと年金を受給する事は可能です。今までも何回か取り上げてきた年金の繰り上げを行えば、本来は無年金期間となる期間でも受給する事ができる。

しかし、ペナルティとして年金は永久に一定率引き下げられた状態となる。1ヵ月早く貰うごとに0.5%年金がカットされる。60歳から繰り上げて、最大60ヶ月間早く貰うと60ヵ月×0.5%=30%もの減額となってしまう。

というわけで、今回は繰り上げをやった人がそのまま働き続けた場合の年金の変化を見ていきましょう。

1.昭和33年10月13日生まれの男性(今は61歳)

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この男性は年金受給資格期間10年以上で、厚年期間と共済期間合わせて1年以上を満たしていれば63歳から年金受給が可能な人。

● 厚生年金支給開始年齢(日本年金機構)

60歳時点で63歳(令和3年10月12日受給権発生)から受給できる見込み額。厚年期間は20年以上ありとする。


63歳から老齢厚生年金(報酬比例部分)50万円(月額41,666円)。

65歳から老齢厚生年金(差額加算)12,000円(月額1,000円)。

65歳から配偶者加給年金390,100円の予定。

65歳から老齢基礎年金満額60万円(月額5万円)受給。

65歳時点の合計年金額1,502,100円(月額125,175円)。


なお、この男性は60歳以降も継続雇用で働く。月給与(標準報酬月額)は32万円とし、賞与は7月と12月に60万円ずつ。これが65歳まで続くとします。

この男性は最初の年金支給開始は63歳ですが、月の収入をもうちょっと増やしたくて、61歳になって年金の繰り上げを行う事にした。厚生年金は63歳から支給ですが、それを24ヵ月早く61歳から受給。基礎年金と差額加算は65歳から支給ですが、それを48ヵ月早く61歳から受給となる。どうなるのか。

老齢厚生年金は50万円×(100-24ヵ月×0.5)%=44万円。

差額加算は12,000円×(100-48ヵ月×0.5)%=9,120円。

ただし、差額加算の減額分12,000円-9,120円=2,880円は当分の間、報酬比例部分から差し引く事になっているため、差額加算自体は12,000円支払う。

老齢基礎年金は60万円×(100-48ヵ月×0.5)%=456,000円。

よって、61歳からは老齢厚生年金(44万円-2,880円=437,120円)+差額加算12,000円+老齢基礎年金456,000円=905,120円(月額75,426円)。

それと、月給与(標準報酬月額)32万円と年2回それぞれ60万円。

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