任天堂が挑む3度目の中国市場挑戦。スイッチは勝てるのか?

2019.12.18
by tututu
 

任天堂が挑む3度目の中国市場

任天堂は自前での中国進出で過去に2度失敗している。2003年、2005年と中国市場への参入を目指したがいずれも成功しなかった。その理由は、任天堂が強力なパートナーを得ることができなかったからだと言われている。8億人という世界最大のゲーム市場。ゲームユーザーの好みや環境への対応など、一筋縄にはいかない。ゆえにここ数年間、任天堂の中国戦略は事実上止まってしまった。

そこで満を持して挑む今回は、協力な助っ人と手を組んだ。中国のネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)だ。販売価格は2099元(約3万2000円)。中国メディアによると発売前から既に10万台超の予約を受け付けたという。人気の「New スーパーマリオブラザーズ U デラックス」のソフトを投入し、これからの年末商戦にどれくらいの売上を上げるか注目されている。

しかし、そこには3つのハードルがあると日本経済新聞が伝えている。
1つ目は中国のゲーム文化の特異さ。パソコンやスマートフォン向けのゲーム開発が盛んにな中国では、ゲーム専用機で遊ぶ習慣がそもそも少ない。ある調査によると、世界では専用機が20~30%を占める中、中国のゲーム市場はスマホ向けが6割超、パソコン向けが4割弱を占め、家庭などで使う専用機は1%未満にとどまるという。

2つ目は海外版のスイッチが中国で既に流通していること。スイッチのことを知り、興味を持っているユーザーは海外版を手に入れている可能性があるのだ。そのようなユーザーがどの程度いるかは不透明。ニンテンドースイッチに対する新鮮さが思っている以上に少ないかもしれない。

3つ目は国策リスク。中国でゲームの新作を発売するためには、監督当局の許可を得る必要があるという。もちろん任天堂もこうした対応をしなければならず、業界リーダーであるテンセントに頼る見込み。これを怠ると思い描くような成功は難しいだろう。

現在好調な任天堂だが、今回の中国市場開拓が成功すれば、より大きな成長エンジンとなり得る。3度目の挑戦。任天堂は失敗することができないのである。

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