僧侶の「怪談説法」に客が殺到。人々はなぜ「恐怖」を求めるのか

 

自分の怪談が通用するのかを知りたくて「怪談グランプリ」に応募

――その後、「怪談説法」は、すぐに始められたのですか。

三木「暴走族の少年たちと出会った夜を機会に、公園で怪談を語るようになりました。聴く人も次第に増えてゆき、『公園で怪談を語るお坊さんがいる』と全国ネットのニュース番組でも採りあげられました。布教が目的ではありましたが、それよりも自分の話を聴いてくれる人がこんなにたくさんいるという環境が嬉しかったですね。そうして次第に、怪談説法というかたちになってゆきました」

▲「公園で怪談を語るお坊さんがいる」とテレビのニュース番組に採りあげられ、一躍その名を知らしめた

▲「公園で怪談を語るお坊さんがいる」とテレビのニュース番組に採りあげられ、一躍その名を知らしめた

――ニュース番組で採りあげられたのですね。三木和尚の存在を「テレビで知った」という視聴者は多いですよね。特に恐さを競い合う『怪談グランプリ』(関西テレビ)は決定的だったのでは。

三木「不思議なご縁でしてね。暴走族の少年たちに怪談を語ったそのあとに、『怪談グランプリ』が挑戦者を募集していると知りまして。自分が語る怪談がどこまで通用するのかを試してみたくて、応募したんです」

――本職のお坊さんがテレビで怪談を語るとあって、そのインパクトは絶大でしたね。

三木「初めて挑んだ『怪談グランプリ』で2位になりました。そして、その放送を観た文藝春秋のスカウトの方から、『怪談と説法をあわせた本を書かないか』と依頼されたんです。そして、『怪談和尚の京都怪奇譚』 (文藝春秋 /2011年)を出版し、怪談説法というスタイルが巷に認知されはじめました」

▲自分の怪談がどこまで通用するのか試したくて「怪談グランプリ」に応募。本物の僧侶の登場に視聴者は驚いた

▲自分の怪談がどこまで通用するのか試したくて「怪談グランプリ」に応募。本物の僧侶の登場に視聴者は驚いた

print
いま読まれてます

  • 僧侶の「怪談説法」に客が殺到。人々はなぜ「恐怖」を求めるのか
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け