100年ブランドを3つも抱える「アサヒ飲料」の絶好調が続く秘密

 

プロ御用達の逸品~カルピス「幻のバター」

東京・田園調布にある洋菓子屋「レピドール」。1973年から続くこの店には、カルピスと深い関わりのある名物スイーツがあると言う。

それが、バタークリームをコーヒー風味の生地で巻いた「ルーローモカ」(310円)。バタークリームを作る際に使っているバターが、通称「カルピスバター」だ。

「口どけが良くて後味もいい。開店当初からある製品なので40年近く使っています」(シェフ・皆川豊さん)

味には定評があるが、「幻のバター」とも言われる。岡山県総社市のアサヒ飲料岡山工場。カルピスバターの原料は、カルピスの製造過程で生乳から分離させた脂肪分だ。その水分を極限まで飛ばし、熟成させて練り上げると濃厚なバターになる。ただし、作ることができる量は限られている。

「カルピスの副産物なので、カルピスの生産でできたクリームの生産量で、バターの生産量が決まります」(製造部・大島潔)

このバターを一つ作るのに必要な牛乳は、原液タイプのカルピス40本分にもなるのだ。

このバターを使って名物メニューを生み出したのが、東京・銀座の「五代目花山うどん」銀座店。群馬生まれのうどんを振る舞う専門店だ。

平日の夜限定という名物メニュー「鬼ボナーラ~カルピスバター仕立て~」は、ベーコンをカリカリに炒めたところでカルピスバターを投入。そこへ群馬名物の幅の広い「鬼ひも川うどん」を入れる。パスタのカルボナーラをうどんで再現した。幅の広い麺にカルピスバターの効いたソースがしっかりと絡む。

「カルピスバターはすっきりした感じで、素材を邪魔しないでコクもしっかりある。お客様の評判がいいです」(「花山うどん」橋田高明さん)

カルピスバターはスーパーにも並んでいる。その値段は、サイズ大きめとはいえ約1500円。こんな値段にもかかわらず。SNSにはファンの絶賛の声が並んでいる。

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