半沢直樹も真っ青。マンション内で本当にあった派閥闘争のリアル

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7年ぶりに続編が放送されるや、各回驚異的な視聴率を記録し続けているドラマ『半沢直樹』。劇中描かれるドロドロの権力闘争が売りですが、そんな人間模様は私たちの身近でも起きているようです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者でマンション管理士の廣田信子さんが、あるマンションの管理組合内で勃発した派閥闘争を紹介しています。

マンション管理組合で「半沢」ばりの派閥闘争

こんにちは!廣田信子です。

管理組合の中に派閥があって対立するというのは、厄介なことです。人はみんな考え方が違って当たり前のはずなのに、対立する勢力ができると、管理組合や専門員会、自治会等と関わるには、どちらかの派閥に属さなければならないようなおかしな話にもなります。異なる意見がある…ということを越えて、人と人との対立になってしまうのです。そんな争いには関わりたくない人は、役員になりたくないと思うのも当然です。

あるマンションの話を思い出しました。4年理事長を続けたAさんの理事長時代の最後ごろ、元理事のBさんが、Aさんの理事会運営に批判的で、質問状が何度も届きました。Aさんは、Bさんが大嫌いで、ちょっと聞き苦しいほど「悪口」を言っていました。

Aさんは、親分肌で自治会活動もしていて顔が広いタイプ。Bさんは、緻密な技術屋さんタイプのようです。Aさんは、もう2年、理事長を続けるつもりだったのですが、Bさんが長期政権はよくない…とビラを全戸配布したこともあり、Aさんは理事長を降り、理事も引退することになりました。Bさんには、理事を務めたときの仲間がいて、一定の勢力があるので無視できないのです。そのことで、Aさんは、Bさんに強い恨みの感情を持っていました。「Bだけは許せない」…と。

Aさんの後任の理事長は、Aさんが推薦したCさんになりました。Aさんとしては、Cさんなら自分の考えを実現してくれるだろう…と思っての推薦したのです(本当は、院政をしけると考えたのかもしれませんが…)。Cさんは現役世代で忙しいのですが、Aさんは、何でも相談に乗るし、サポートするから…と言ってCさんを説得したのです。

ところが…です。Cさんは理事長になると、Cさんのやり方で、合理的な理事会運営のために、いろいろな改革を進め出しました。たぶん、社内で責任者を任されたのと同じようなスピード感で仕事をしたのだと思います。引き受けたからには、短期間で成果を出そうと思ったのでしょう。

で、相談に乗ると言っていたのに、Aさんのところには一向に相談に来ません。理事会でどんな話し合いをしているのか、Aさんの耳には情報が入ってこなくて、Aさんはイライラします。管理会社も、自分が理事長をしていた時とは扱いが違って、理事長の了解をもらわないと…といって、Aさんには情報を出しません。当たり前のことなのですが…。

Aさんは、自分が理事長にしてやったのに…と、Cさんの変身を悔しがります。民主的な運営とはどういうものか分かっていない。すっかり騙されていた…と。Cさんは自分がなりたくて理事長になったわけでも、変身したわけでもないのですが…。

で、Aさんに何かと批判的だったBさんは、C理事長に替わって、おとなしくなったかというと、そんなことはなく、Cさんの理事会運営にも批判的で、糾弾のビラをポスティングしているのです。

そうしたら、びっくりするようなことが起りました。あれだけお互いを批判していたAさんとBさんが、Cさんに対抗するために手を組んだ?のです。Aさんから久しぶりにメールがきて、私はびっくりです。あれだけ批判していたBさんが、新勢力に対抗するための盟友になっていたのです。

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