ニトリやイオンも。「従業員がコロナに感染」そのとき現場はどう動いたか?

2020.09.13
 

罹患者が急増した長野県上田市の場合

長野県上田市では、8月以降、夜の接待を伴う店や大学生の宴会を中心に、70名超のPCR検査陽性者が確認され、罹患者は急増したが、現状重症者はいない。

新型コロナの死者は、長野県全体の累計で1名いるだけで、上田からは出ていない。県独自の「新型コロナウイルス警報」で上田圏域は6段階のうち3番目に重い、レベル4「特別警報」が発令されており、県内で最も感染拡大しているものの、客観的にインフルエンザ並みの危険性に思える。

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長野県独自の新型コロナウイルス警報の状況(出典:長野県庁ホームページ)

しかし、中心街では休業している店も多い。安全・安心をアピールするために、飲食店従業員を対象に、94店165名が9月3~5日に受けたPCR検査で、陽性者は1人だけだった。

ところが、6日には市内最大の繁華街の袋町商工振興会では、飲食店関係者やボランティア160名による街の一斉消毒が行われている。本来は、陽性者と濃厚接触者に2週間休んでもらい、陽性者の勤務するお店を消毒すれば終わりなのだが、それでは安心して顧客に来てもらえないのが実情である。

袋町では8月21日から、管轄182店が2週間の自粛による休業も行っていた。

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上田市の名物、美味だれ焼き鳥。コロナ禍で中心街の飲食店を訪れる人は少なかった(出典:信州上田観光協会ホームページ)

全国各地で感染者、感染者を出した店への誹謗中傷が相次ぎ、飲食店に行くこと、電車に乗ることすら必要以上に恐れている人が多すぎる現状では、新型コロナそのものより、新型コロナ恐怖症のほうが恐くなってきた。

重症化率が高い後期高齢者への対策をしっかり打って、新型コロナの2類相当からのグレードダウンが必要ではないか。

image by: 長浜淳之介

長浜淳之介

プロフィール:長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)

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兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。

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