NY「再ロックダウン」報道の嘘と本当。現地で何が起こっているのか?

 

でも実は、感染が拡大しているのは特定の地域のみで、その地域の人たちに対して、改めてマスクやフェイスカバーの着用、ソーシャルディスタンスをとるようにとNY州と市の自治体は呼びかけています。

具体的には感染が急に拡大したのは、マンハッタンではなく、ブルックリンとクイーンズの特定の地域。特にブルックリンはニューヨーク市の感染率の2~3倍に増えてまして、例えば、ボローパークが陽性率4.6%、グレイブセンドとホームクレストが6.8%、ミッドウッドが5.3%といずれも高い水準です。

この他、ブルックリンではウィリアムズバーグ、クイーンズのキューガーデンなども陽性率が顕著に増加。この結果、ニューヨーク市の陽性率は3.25%となり、ついに地域限定でのロックダウンがされました。
Six NYC Neighborhoods See Spike in COVID-19 Cases, as Fears of Second Wave Mount

9月30日付の最新情報を確認してみても、過去1週間平均の陽性率はここに示されているように、ニューヨーク市全体では1%を超えていますが、マンハッタンは0.6%と非常に低いです。
Cuomo to Local Gov’ts as New York Clusters Worsen: ‘Either You Do the Job or People Will Die’

(3)感染拡大の理由

感染拡大の理由ですが、経済再開が進んだことで屋内での集まりが増えているという理由もありますが、もっとも大きな原因となっているのは、ユダヤ教の超正統派、オーソドックス・ジューイッシュと呼ばれる人たちの独特の考え方と生活スタイルです。

というのも彼らが住むエリアでの感染が拡大しており、コミュニティ内での意識の違いが関係しているのではないかと報じられています。

実際、9月29日のクオモ州知事の会見では、「マスクやフェイスカバーの着用、ソーシャル・ディスタンス令は宗教に関係なく適応される」として、ユダヤ教超正統派のコミュニティリーダーとバーチャル面会しています。それでも改善しないということで、先週からこの地域限定でのロックダウンとなったわけです。

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