しかしながら、未だに公立の学校は閉鎖したまま。3月中旬から今に至る全ての教育機関は開いていません。塾もです。私立の学校に行く息子はオンライン授業を受け続けており、4月に行うはずだった卒業式(イギリス式の学校で10年生が終わり)が9月末にオンラインで行われました。塾はオンラインで、授業料は携帯電話を使って決済します。
実に7カ月以上もバングラデシュ全土の学校は閉鎖しており、オンライン授業が推進されていますが、オンラインで授業が出来る環境にある先生、生徒はどれほどいるのでしょうか。バングラデシュの公立学校は1月に始まり12月に終わります。公立学校の年度末試験は11月に行われ、12月に結果発表があり、1月から新学年です。この試験が今年はキャンセルされ、全員進級が決定しました。11月から開校予定ですが、巷ではおそらく来年1月までは学校は開かれないだろうと言われています。公立学校の9カ月以上の勉強の取り戻しは出来るのでしょうか。映画館やスポーツ観戦を再開させるよりやる事はあるんじゃないかと心配になります。
このコロナ禍で、バングラデシュは治安も悪くなりました。テレビで報道されるだけで、レイプ、殺人、警察の不祥事が連日起こっており、これまた犯人がすぐ釈放されることから市民のデモに発展もしました、失業率は半端なく高く、その上物価が上昇し、おそらく日本とあまり変わらないんじゃないかと思う程です。
そんな状況の中、数日前に驚くべきニュースがありました。バングラデシュでは人口の45パーセントが既にコロナに感染している!というのです。もはや集団免疫!? この数字、結構権威ある機関から発表されたので、私は驚いたのですが、このニュースを外国からのフェイクと信じているバングラデシュ人が多い事にも驚きました。
世界のコロナの様子を見て、バングラデシュはアラーの神のお蔭で、素晴らしい政府の政策により亡くなる人が非常に少ない有り難い国とメディアで堂々と発言される首相のいる国では、どんなニュースもフェイクに思えてしまうのでした。
COVID-19、新型肺炎で亡くなられた方のご冥福を祈り、今現在病と闘われている人達の回復と、一日も早い収束を祈ります。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。ボショントでした(ベンガル語で春を意味します)。
著者/ボショント(「バングラデシュという国に住んで」連載。バングラデシュ在住)
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