「次に潰れるのはうちだ」トヨタ経営幹部が放った言葉の真意とは

 

習得すべきもの

ある意味で、組織とは「機能や能力や知識を持った人材を目的・目標達成のために“コラボレーション”するシステム」とも定義できそうです。この“コラボレーション”の今日的な意味合いも含め確認します。あの「自分の城は、自分で守れ」の気概のトヨタが「我が城を守る」がために「他との最適コラボレーション」を本格化させています。

さて“コラボレーション”にはいろいろな形があり。一般的な意味の“コラボレーション”は、他との関係を言いますが、企業そのものが多様な人材のコラボレーションであり、ここから考えます。ついては、20世紀に特筆すべき人材コラボレーションである「アップル」をまず見て、続いて「トヨタ」について考察し参考にしたいと思います。

スティーブ・ジョブズをまずみますが、彼をして「何があった」からあのような“飛び抜けた成果”を実現させたのでしょうか。学歴でないのは確かで、高度なITスキルがあったからでもなく、彼の強みは何かとなると「クリエーティブ・デザインとリーダシップ」とも言えうで、それらが“圧倒的な執念”によって高められていました。

かなり横道に逸れるのですが「ジョブズは“カリスマ”である故に、大成功したのか」を吟味したいと思うのですが、そのことについては「ドラッカーの見解」をいつものように聞き取ってみると、「成果をあげる人のタイプなどというものは存在しないことに、かなり前から気付いていた。共通点は“なすべきことをなす能力”だけだった」「成果をあげる能力は、習得すべきものだ」と断言します。

そうであるなら、ぜひその「奥義というもの」を知りたいとなりますが、では、ドラッカーの言うことを列挙しますと、その効果のあるものとはしごく当然で「シンプルな考え方」にあります。

1.時間を管理すること、何に時間をとられてるかを知り、時間を体系的に使うことである
2.世の中への貢献に焦点を合わせること。成果に精力を向けることである
3.目線を高くして、自らの強みに基準を据えることである。上司、同僚、部下についても、その強みを中心に据えることである
4.力を集中することである。優先順位を決め、それを守ることである
5.成果をもたらすように意思決定を行うことである

と言っています。そして、必須の基本要件を「真摯たること」としています。

ところで、ジョブズの場合はそのようであるのかどうか。「宇宙に衝撃を与えるものをつくろう」という高みのミッションのもとに、「家庭やオフィスにコンピュータを売ることを通じて世の中を変えられる」の貢献ビジョンをもって、すべての時間をそのことのみに集中し、有能な“はみ出し者達”とコラボレーションし「海賊になろう」のキャッチフレーズでもって究極まで追い込み潜在能力を引き出させるのです。

ジョブズには「世界に衝撃を与えた」ものがいくつもありますが、同じくして多くの失敗と挫折もあるのですが“やり通し”ました。ジョブズは「もし今日が人生最後の日だとしたら、私は今日やろうとしたことを本当にやりたいだろうか」を30年間毎日鏡に向かって語り続けたそうで、まさに「成果をあげる能力の習得」が日常生活となっていました。

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