日本政府は大丈夫か。2021年に世界を襲う5つのグローバルリスク

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2021年、人類はこれまで以上の危機にさらされる可能性が高いようです。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では著者の島田久仁彦さんが、我々を襲うグローバルリスクの数々を専門家の目線で詳細に分析し解説。そこから見えてくるのは、もはや機能不全に陥っていると言っても過言ではない世界の現状でした。

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グローバルリスク溢れる2021年:世界はどこに向かうのか?

コロナウイルスの感染拡大が止まらず世界的に死者数・感染者数が増えるという世界的な健康リスクに加えて、国際社会は様々なリスクに直面しています。2021年はこれらのリスク要因が表面化し、かつ激化する可能性が高いと見ています。

COVID-19によるリスク

2021年1月14日現在、WHOの発表によると9,100万人の感染が確認され、死者数は200万人に到達しようとしています。世界中で新型コロナウイルスに対するワクチン開発と接種が急がれる中、ついには数種の変種まで登場しました。一般的にはより感染力が高いと言われていますので、予測の域を出ませんが、まだまだパンデミックの状況は継続するのでしょう。

各国ではまた行動が制限され、都市封鎖に外出制限、飲食店などの営業禁止措置など、経済活動は再び停滞しています。それらは同時に各国での内政リスクを高め、既存の社会・経済問題をさらに悪化させ、負の潮流を速め、そして各国は協調マインドから自国優先マインドに戻り、国際社会における緊張が高まりやすい要因を作り出しているといえます。

例えば、コロナ禍の中、資産をさらに増大させ、富の蓄積ができた既存の富豪たちが存在する反面、5億人以上の市民が失業と収入の大幅な減少による経済的な困窮に陥るという格差が拡大しています。これは必然的に労働人口総数を減少させていますので、結果的に私たちの日常生活に関わる経済状況に悪影響を与えています。今週、FAOとWFPが出した発表によると、各国での農産物および海産物の価格が著しい上昇を記録しており、これからじわりじわりと私たちの家計に効いてくることになるとのことです。各国で経済の回復基調が見られていた中、この現実はマイナス材料となってしまうでしょう。

また噂のワクチンですが、国連のデータによると、世界人口の14%ほどの富裕層が2021年に接種可能となる約50%の有効なワクチンを独占すると言われており、これはよく見積もって10人に1人接種できるかどうかという途上国における平均値と比べると、大きな差となって表出します。これは確実に社会的な分断を引き起こすこととなり、富裕層への怒りと政府の失敗に対する怒りがマグマのように煮えたぎり、大きな社会的不安につながる可能性が指摘されています。

このように内政不安定な状態の顕在化は、国際的には富める国と貧しい国との間での緊張の高まりにつながり、今、成果を期待されている新型コロナウイルス感染症に対するワクチンのグローバルアライアンスの有効性にも大きく影響するものと懸念しています。

実際に私も関わるGlobal Conflict Databaseに、今週、いくつかの安全保障上の懸案事項に対し、紛争勃発直前というアラートが加えられ、関係者の間でも衝撃が走っています。

各国の政府がいかにして既存の社会問題に取り組み、コロナ禍によるショックを緩和できるのかに、今後の国際情勢の行方もかかっていると考えます。

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