コンビニの原点「便利さ」で差をつけたセブンイレブンの巧みな戦略

 

セブンイレブンと西武HDの事例から学べること

セブンイレブンにしても、西武HDにしても、業界の競合に先駆けての、新しい取り組みにチャレンジしています。このような発想は、「どうやって商品を売るか?」を、戦略的に、ビジネスのフレームワークを用いて、ロジカルに分析していくだけでは、なかなか出てきません。

ロジカルに分析するこのような垂直思考は、無駄を省き、効率を上げる方法なので、すでに顕在化している問題を解決することに、適したアプローチになります。それが故に、従来やってきたことからはずれて、新しい何かを発想し企画するアプローチではありません。

もし、セブンイレブンが垂直思考で問題を解決していたら、「もっと精度高く売れ筋商品を選ぼう」とか、「効率良い出店方法が必要だ」となり、これまでの延長線上での改善案しか出てこなかったでしょう。

新しい発想をするためには、垂直思考で削ぎ落とした要素の中から、「もしかしたら顧客のためになるかも」という仮説を立て、やってみるという水平思考というアプローチが必要です。その時のポイントは、「ユーザー目線」すなわち、顧客視点にたち、顧客のために何ができるのか、を徹底的に考えることから始めます。

今回のセブンイレブンと西武HDは、顧客の利便性向上の辺りを強化しての発想から出てきた企画と読み取れます。ITでのシステムを組んだり、多大な投資をすることは、大企業にしかできないかもしれませんが、新規事業の場合も、中小企業でも、顧客視点に立ち、何かできることはないか、と考えることはできますよね。

新型コロナウイルスに振り回され、意外と忘れがちなこの点に関して、もう一度見直してみる、いい時期なのではないかと思います。

image by: Ned Snowman / Shutterstock.com

理央 周この著者の記事一覧

ビジネス・仕事に大事なのは、情報のキモに「気づき」どう仕事に「活かす」かです。トレンドやヒット商品には共通する「仕掛け」と「思考の枠組み」があります。このメルマガでは、AI、5G、シェアリングなどのニュースや事例をもとに、私の経験とMBAのフレームワークを使い「情報の何に気づくべきか?」という勘どころを解説していきます。現状を打破したい企画マン・営業マン、経営者の方が、カタくなっている頭をほぐし情報を気づきに変えるトレーニングに使える内容です。

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】 』

【著者】 理央 周 【月額】 ¥825/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 第2火曜日・第4火曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • コンビニの原点「便利さ」で差をつけたセブンイレブンの巧みな戦略
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け