SNSいじめで少女が自殺。報復を怖がる被害児童に大人がすべき事

 

報復をゆるさない「いじめを防ぐ機能」とは何か、について述べてみたいと思います。

1.いじめ加害者、及びその保護者への指導、教育
2.学校全体としての組織的な取り組み
3.思春期の児童生徒に対する道徳教育

の3つの柱があります。1.の「いじめ加害者、及びその保護者への指導、教育」については、「報復がこわい」と被害者が言っているから…と指導をしなかった、というのは致命的です。中学生ともなると、「先生たちに力がなく加害者を指導できないのではないか」と思う方も多いかもしれません。しかし、常時、メリハリの利いた「毅然とした指導」が行われている学校では、風とおしも良いのです。そういう学校では、「先生に相談したら解決してくれる」と生徒からの信頼が生まれます。

一般の社会での「犯罪」を考えてみてください。加害者が被害者の親族であったり顔見知りだったりすることはよくあります。それでも、警察は、「その行為は犯罪なので、届出してほしい。被害者は必ず護ります」と約束し、知った以上は捜査するでしょう。これは考え方の問題です。学校は捜査機関ではないと言う方もいるでしょう。しかし、荒れた学校には指導力のある先生が配置されてきますが、実によく真実を見抜きます。

2.の「学校全体としての組織的な取り組み」についても併せて考えると、迅速に、組織的に役割分担して関係者全員に聴き取りし、いじめ事実を把握することが必要です。それから、

1)事実と証拠を加害者に示して反省をうながす(保護者同席でもよい)
2)加害者の保護者に説明する
3)謝罪の場を設けるかどうか、被害者に確認する

ことです。まして今回はSNSという、しっかり残る証拠があるわけですから、このような対応ができたはずなのです。解決しない状況を、いたずらに放置しておくことは、学校や教師も、いじめの「傍観者」となってしまうことに、どうか気が付いてください。決して子どもの意思を配慮したとか、言い訳に使わないでいただきたいものです。

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