菅首相が「五輪中止」を言い出すことは、まずあるまい。五輪には電通などさまざまな企業の利権がからんでいる。なにより、安倍前首相が福島第一原発の汚染水はコントロールされていると世界にウソをついてまで招致したイベントである。しかも、安倍前首相と麻生副総理は、東京五輪までは菅首相を支えると言っているのだ。
裏を返せば、何が何でも東京五輪だけはやり遂げろという強い意思の表明にほかならず、安倍・麻生同盟の支援をよりどころとする菅首相が、「五輪中止」を主導するなど、想像すらできない。東京五輪を終えて解散総選挙を打つという根拠なき菅首相の政権維持シナリオ、言い換えれば、心の呪縛。そこから抜け出すのは難しそうだ。
小池氏は東京五輪の開催是非について何も語らない。それがかえって不気味なのだろう。だが所詮、政治的欲望ゆえの恐怖である。「安全、安心の大会は可能」とお題目を唱えているばかりでは世間にわだかまるオリンピック不安は消えない。明確に具体策を示し、説明を尽くすこと。首相としてやるべきことをやっておれば、何も恐るるに足らず、だろう。
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