急速に普及したテレワークですが、意外なところに思わぬ影響を及ぼしているようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、オンライン会議に「ロンドンストライプ」等の柄物を着用して出席した際に、画面がチラついてしまう「モワレ」という不具合が起こる可能性を指摘。その上で、お客様に衣類を提案する販売員に対して注意を促しています。
スタンダードな柄が使い物にならない?
昨年から急速に加速した、仕事の仕方そのものの変化。
当メールマガジンの読者の方々は、その多くが販売現場の最前線で活躍されている方だと思うので、あまり実感がないかもしれませんが、一般的な会社員の中には、かなりの変化を迫らせてしまっている人がたくさんいます。
特に顕著なのは、オンラインを通した仕事への変化です。
出社をせずに自宅から仕事をする、何か社内の人たちとやりとりをする時には、Zoomやteamsなどを使ってオンライン会議をするなど、これまではそこまでやる機会がなかったという人たちも、今はもうこうした仕事の仕方が当たり前になってきています。
すると、ここでこれまでには無かった弊害が起こっているのです。
一時期、オンラインを通したビデオ会議などをやっていると、着る服に悩むという話が結構出てきましたよね。そこでは、「こういうデザインなら見栄えが良いですよ」とか「上着のここに気をつけていると印象良く見えますよ」という提案が、ショップではなされていました(今も結構耳にします)。
しかし、そうした提案の中で、意外と抜け落ちていた視点があります。「柄」です。
ビデオ会議を実際にやってみるとよくわかりますが、カメラや映し出すスクリーンの性能によって、柄がとても邪魔になることがあるのです。
わかりやすいものだと、細くはっきりした縦線が連続している「ロンドンストライプ」や、鳥の目のような細かいドット模様が特徴的な「バーズアイ」などでしょうか。他にも、千鳥格子(ハウンドトゥース)などもそうです。
どれも柄としては昔からあるスタンダードな柄で、今でもファッション業界ではよく使われている柄です。
しかし、PCの画面などでこのリンクを開いただけでもわかるかもしれませんが、こうした柄物をビデオ会議で着用していると、画面がチラチラしてしまう現象(モアレと言います)が起こるのです。
細いボーダー柄などでも起こってしまうことなのですが、画像や映像を映し出すスクリーンは画素と呼ばれる小さな領域で区切られています。この領域のサイズやパターンが、画面に映る服の柄のパターンに近いと、柄同士のズレによって実際には存在しないような柄が見えてしまうことがあるのです。スマホでもたまーにそういうことありますよね。
つまり、以前からスタンダードなものとして使われてきた伝統的な柄物、しかも今現在も多数出ているアイテムが、仕事の仕方によっては、全く役に立たないものになってしまうのです。