GAFAはGFとAとAに分けてみるべき
GAFAとひとくちにいいますが、実際はひとまとめ、一緒くたに話すのではなく、3つに分けてみたほうが自社への影響度もヒントも理解しやすくなります。
まずは「インターネット上のプラットフォーム」で、インターネット上でサービスが完結しているものです。Google、Facebookがこれに当たります。
次に、「インターネット上のプラットフォーム+ロジスティクス(物、物の流れ)」で、インターネット上でサービスは完結せず、物をどう動かすかも鍵になっていきます。Amazonがまさにこれですが、GAFA以外でいえば、Uber、AirBnBなどもこれに当たります。
3番目には、「インターネット上のプラットフォーム+ハードウェア」で、Appleがこれに当たります。
こうやって3つに分けて、問題の切り分けをする必要があります。それぞれで何は脅威か、どういった点は活用できるか、何を学べるかですね。DX成功企業の脅威から目をそらさず、学べるものはすべて学びとろうという姿勢が必要な時代になりました。
ハイパーアウェアネス
営業マンが1,000人いる、コンビニのように全国で数万人が勤務している、という場合、従業員の声をリアルタイムで吸い上げる仕組みがほとんどありません。これについては、『対デジタル・ディスラプター戦略』(日本経済新聞出版刊)で紹介されている考え方が大変参考になります。DXについての本質的な考え方をする上で刺激になりますので、ぜひご覧いただければと思います。
具体的には、営業マンが顧客訪問をした直後に感想・発見を1、2分でスマートフォンに吹き込みます。それを自動的に文字起こしし、重要なサマリーのみ、適切な形で、リアルタイムで経営陣に共有するというやり方です。
そうすれば、上司への忖度なしに現場の第一線の声を吸い上げることができますし、何より、全員の目・耳を活かした膨大な情報からのエッセンスが拾えます。日報・週報を書く手間も全くなく、いいことずくめです。
顧客に最も近い場所にいる従業員全員を「人間センサー」として情報を得る、という考え方です。経営陣がくだした決定を実行しているのは従業員であり、彼らは顧客が何を好み、何に不満を抱いているかも知っています。戦略がうまく機能していなければ、そのことについても気づいています。
言い換えれば、従業員とは会社が給料を払っている数千、数万の「人間センサー」であり、それに気づいていなかったり、あえてそれを無視したりしている企業は、情報に基づく意思決定も、迅速で効果的な実行もできないと考えるべきだという主張で、私は大いに刺激を受けました。(続く)
(メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』2021年7月19日号より一部抜粋。全文はメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』を購読するとお読みいただけます)
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