現役医師が指摘。大学医学部がコロナの「5類格下げ」を拒むウラ事情

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17日に行われた記者会見で菅首相は慎重な姿勢を示したものの、各所で議論がなされている新型コロナの感染症法上の「5類」への引き下げ。インフルエンザと同じ5類の扱いとすればより多くの医療機関でコロナへの対応が可能になるとされていますが、その移行が進まない理由はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『テレビでもラジオでも言えないわたしの本音』では著者で現役医師の和田秀樹さんが、にわかに信じ難い「ウラ事情」を暴露。さらに、このままの状態が続けば日本だけがコロナ禍の中に取り残されることになると警告しています。

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日本だけ終わらないコロナ禍

ここしばらくでコロナがらみで話題になっているのが、感染症法上のコロナの扱いの変更だ。

エボラ出血熱並みの1類と2類の間にしているから引き受ける病院にものすごい規制がかかる(その代わり多額の補助金が出る)。

死亡率も0.1~0.2%とインフルエンザ並みになったのだから、インフルエンザと同等の5類にすれば、一般病棟でコロナを入院させることができるので、はるかに病床のひっ迫は治まる。

そもそも重症になると前回も問題にしたような濃厚治療を受けられるのに、中等症までだと家にいろというのは尋常なことではない。

医療従事者のワクチン接種が終わっているのだから(20代の看護師など尊い命がすでにワクチン接種後の死亡の犠牲になっているのだから)、普通の病気として受け入れれば、感染者が多少増えても対応できるのは当たり前のことだ。

しかし、ここでも前回も問題にしたように利権がからんでくる。

前回も問題にしたように厳しい規制がかされ、人員も設備も相当なものを用意しないといけない代わり、1ベッド月額で900万円も入ってくる(しかも、入院していなくてもこの金が入ってくる。某県立病院で民間の理事が、入院していない分は国に返還してはどうかと提言したら、相当嫌な顔をされたそうだ。入院しなくても大金が入ってくるなら、コロナ指定病院がいろいろな難癖をつけて入院を断るのは当然のことだ)。

5類に引き下げ、多少の補助金は足しても普通の病気扱いでやってくれという話になれば、多くの大学病院は再び経営危機に陥る。

結果的に一度おいしい汁を吸った大学医学部が「やめられない、止まらない」状態になっているので、5類にされることを拒むだろう。

そのために、感染症学者だけでなく、大学の医者全体が、コロナが必要以上に怖い病気だと言い続ける構造になってしまったのだ。

もちろん、裏切りは許されない。

ついでにいうと、この補助金は東京のほうが大阪の医学部よりはるかに手厚い。死者数は実は大阪のほうが多いのに。

これに吉村という知事が怒らないとすれば、維新という政党が地元民の味方のふりをする第二自民党であることを露呈しているのか、賢そうな顔をした本物のバカなのかどちらかだろう。

デルタ株騒ぎもあるし、さらに変異を繰り返すだけでなく、コロナというウイルスの性質上、冬場に強いのは間違いない。要するに感染者数はこのまま増え続けるということだ(一時的に治まっても冬場になるとまた感染が爆発するということになるかもしれないが)。

感染者数で騒いでいる限り、いくらワクチン接種が進んでも、コロナ騒ぎは収まらないということだ。

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