京大教授が暴露。コロナ禍を悪用する腐敗医師らの「命より金儲け」主義

 

(12)以上の帰結として、専門医が「真面目」に治療行為を行えば行う程、当該の障害が軽減していく事が仮にあったとしても、副作用が拡大していき、かえってトータルの健康が毀損されていく、という現象が頻繁に生ずることになる。

つまり、専門医達が働く病院が増えれば増える程、病院にぶち込まれる患者が増えていくと同時に、患者は医療行為の「副作用」故にどんどん不健康になっていき、バンバン医者が儲かる様になっていく、という構造がある(そして言うまでも無く、国家の医療費が膨大に膨らみ、それ以外の予算がどんどん削られていき、国防も,防災も、地方再生も都市再生も、教育も研究も、そしてデフレ脱却も全く進めらなくなり、国勢が衰えていく、ということにもなる。無論、政府がMMTを理解していれば、この弊害は除去はできるが、残念ながら全く理解しようとはしていない)。

(13)ちなみに、以上の構図の存在を示唆するエピソードとして次の様なものがある。

森田医師は20代、宮崎の病院に勤務していた。その時、夕張市が破綻し、公的病院がなくなり、医療供給量が圧倒的に不足する事態となった。森田医師はその報を耳にした時、夕張の高齢者達が大層困っているだろうと考え、「医師の使命感」故に宮崎の病院を辞めて夕張市にて勤務することとした。

ところが驚いた事に、夕張では病院は無いが、それでも誰も困っていなかったという。むしろ、夕張の方が宮崎のよりも老人達が生き生きと生きている状況だった。

この経験を通して、森田氏は

  1. 病院なんか無くたって老人達は元気だし、むしろ、病院があった方が老人達は不健康・不幸になるんだ、という事実、
  2. 病院に毎週来させるのが当たり前だと思っていたが、あんなのは当たり前でも何でも無かったのだ、あれは結局、病院が経営の観点から患者にそうさせていただに過ぎなかったんだ、という事実、

という二つの事実、すなわち、以上の(1)~(13)に描写した医療業界の腐敗と害悪構造にまつわる二つの事実を認識した。

(14)以上を纏めると、次の様になる。

「かつて日本の医師は素晴らしかった。しかし、専門医制度が戦後日本で敷衍する様になると、医師は患者の健康でなく専門分野の治療のみを行う様になり、医師としてのモラルが崩壊。その結果、激しいカネ儲け主義に走る様になった。

現在は医師のカネ儲け主義が暴走し、さして不健康でない患者を、なんだかんだ言って無理矢理病院にぶち込んで膨大な国費(実に20兆円、30兆円という国費!)をかすめ取るという詐欺的行為が横行する様になった。

にも関わらず、医師に対する国民の信頼・尊崇の念は強く、かつ、この構図に気付く言論人もほぼ皆無であるが故に、誰も医師達を批判しない。だから専門医として訓練を受けた医師達は自らの(客観的な視座からいた)巨大な悪行を一切恥じる事無く、道徳的だ、立派だ(さらに言えば、尊敬されて当然だ、俺たち以外は俺たちに侮蔑されて然るべきだ)とすら自認しつつ、誰に咎められる事も無く、国費をむしり取る詐欺師紛いの悪行に従事し続けている」

…以上、ご理解いただけましたでしょうか…?

少々複雑な構造があり、かつ、ほとんど世間では言われていない話なので、俄にご理解頂くのは難しいかも知れません。

しかし、この問題は今の日本を改善するにあたって極めて重大な問題ですので、もし分かりづらい方、あるいは、ご納得いただけないというがおられましたら、ご理解頂けるまで、繰り返し上記の(1)~(14)をお読み頂ければ幸いです。

なお、医師の読者の方がおられれば、「俺たちはそうじゃ無い!何も知らない素人がエラソーに言うな!!」とお怒りになる方もおられるかも知れません。

しかし、以上の(1)~(14)は、当方が案出した見解ではなく、森田氏・和田氏という医師達が僕に教えてくれた見解を、できるだけ分かり易く順をおって説明したものに過ぎません。もしこの見解のどこかが間違っているというのなら、是非、教えて頂きたいと思います(なお、クライテリオン最新号には、この二人の医師と当方との対談記事がそれぞれ掲載されていますから、是非、あわせてご一読下さい)。

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京都大学大学院・工学研究科・都市社会工学専攻教授、京都大学レジリエンス実践ユニット長。1968年生。京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員,東京工業大学教授等を経て現職。2012年から2018年まで内閣官房参与。専門は、国土計画・経済政策等の公共政策論.文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞等、受賞多数。著書「プライマリーバランス亡国論」「国土学」「凡庸という悪魔」「大衆社会の処方箋」等多数。テレビ、新聞、雑誌等で言論・執筆活動を展開。MXテレビ「東京ホンマもん教室」、朝日放送「正義のミカタ」、関西テレビ「報道ランナー」、KBS京都「藤井聡のあるがままラジオ」等のレギュラー解説者。2018年より表現者クライテリオン編集長。

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【著者】 藤井聡 【月額】 ¥880/月(税込) 【発行周期】 毎週 土曜日

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