矢野財務次官の大罪。保身確保の駄文に「吉田松陰」の言葉を使う無礼

 

ちなみに矢野氏がこの事実を知らぬ筈がありません。そもそも矢野氏は山口県、すなわち、松蔭と同じ長州出身の人間なのです。長州出身の文系のスーパーエリートが、その程度の常識を持たぬ筈等無いのです。

しかしこの矢野氏は驚くべき事に、この駄文を公表するに先立ち上司である麻生前財務大臣、さらには、現鈴木大臣にお伺いを立て、その公表の許可を「予め」得ているのです。

麻生太郎前財務相から了解を得ていたほか、鈴木氏にも出版前に連絡があり、手続きにも問題がないとした。

財務相「政府方針に反しない」 次官のバラマキ批判寄稿

さらに言うと「霞ヶ関の常識」に照らし合わせて考えてみれば、財務大臣が了解したということは、そのさらに上司である岸田総理大臣もまた、了解したという事に他なりません。さもなければ、政権に大ダメージを与えかねぬ「内閣不一致」と呼ぶべき状態となる大変に危険なリスクがあるからです。

いわば、矢野氏はこの駄文を公表するという「かくすれば」をした時に、「かくなるもの」=「自らの命が奪われる」という事になどは、「絶対にならない」という「100%の保身」を確信した上で、公表しているのです。(メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』』2021年11月20号より一部抜粋・敬称略。この続きはご登録の上、お楽しみください)

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京都大学大学院・工学研究科・都市社会工学専攻教授、京都大学レジリエンス実践ユニット長。1968年生。京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員,東京工業大学教授等を経て現職。2012年から2018年まで内閣官房参与。専門は、国土計画・経済政策等の公共政策論.文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞等、受賞多数。著書「プライマリーバランス亡国論」「国土学」「凡庸という悪魔」「大衆社会の処方箋」等多数。テレビ、新聞、雑誌等で言論・執筆活動を展開。MXテレビ「東京ホンマもん教室」、朝日放送「正義のミカタ」、関西テレビ「報道ランナー」、KBS京都「藤井聡のあるがままラジオ」等のレギュラー解説者。2018年より表現者クライテリオン編集長。

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【著者】 藤井聡 【月額】 ¥880/月(税込) 【発行周期】 毎週 土曜日

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