3点目は、ワクチン戦略です。具体的には「ブースターを早める」のかという点と、別の問題として「オミクロン対応型にチューニングされるのを待ってからブースターに行くのか」という問題があります。これは大変にクリティカルな問題であり、判断を間違えると多くの人命に関わります。
ムダを覚悟で、多方面の手配をするのが肝要であり、堀内大臣には河野氏以上の「突破力」が求められます。にもかかわらず、「接種体制の変更負荷には反対した方が、現場が安心する」という判断なのか、「ブースターの8ヶ月後から6ヶ月後への前倒し」に反対するかのような、つまり組織防衛的なスタンスで仕事をしているように見えます。
更に言えば「余っているモデルナを使って欲しい」的な動きをしているのは稚拙です。つまり心筋炎の問題から忌避が始まっているモデルナについて、本気で世論の懸念を払拭するような「突破」の姿勢ではなく、組織防衛的な匂いから「モデルナも使ってくれ」というのでは、世論は動きません。
もしかしたら、堀内大臣には将来は厚労相になりたいという野心があり、その時のために「官僚組織と仲良くしておく」ために組織防衛的に動いているのかもしれません。だったら、政治家として見方が甘すぎると思います。もっと本質を見て、世論にストレートに向き合っていかねば政治は動かない時代だからです。
とにかくこれは心配です。厚労省だけでは動きが停滞する問題があり、そこにワクチン担当相を置くことで「突破」できるというのが菅政権の設計で、これは組織的な最善手だったわけです。その辺が理解されていないというのは心配です。
4点目は「GoTo」です。この状況で1月からスタートというのは、本当にうまく行くのか心配です。仮にですが、世論が懐疑的になる中で、山際大臣が突っ走ると政治的には良くない状況になってしまいます。この点でも、やはり司令塔の一本化をしておかないと、下手をすると政権全体が失速することになりかねません。
アメリカから見ていますと、日本のコロナ禍の現状は「まぶしく」「うらやましく」見えます。とにかく日本としては、せっかく現状まで持ってきたわけですから、これを、できるだけ維持していかねばなりません。そのためにも、この4点を厳しく再確認していただきたいと思います。
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