見透かされたバイデンの弱腰。プーチンの発言で判るロシアの企み

 

解説

上記には抜粋していませんが、米国(および同盟国)のイラク侵攻などの過去の行動の不当性なども多くの時間を使って強く非難しています。

全文を通してみて、彼の主張は以下です。

  1. NATOの東方拡大はロシアの生存を脅かすものである
  2. ウクライナ、ドンバス地方の住民の自由のためにも我々は立ち上がる
  3. ウクライナの占領は我々の目的ではない。しかしウクライナの支配層が変わることは求める

読み取れるのはプーチンの目的はウクライナの東部「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を国際社会が承認するだけではないという事です。

目的はウクライナに親ロシア政権ができる事です。

それを目的とした軍事行動であり、達成されるまでは戦闘・流血もやむなしである、という姿勢です。これが目的である以上、ウクライナの現政権とは全面的な戦争にならざるをえません。

ウクライナはNATO加盟国でなく、米国および同盟国は間接的な支援にならざるをえません。ロシアの断固たる姿勢と相当に差があります。プーチンは、そのようなバイデン大統領らの弱腰を見透かしていると感じます。

しかしながら、その一方でプーチンには別の心配もありそうです。

演説の最後にロシア人に対して「祖国のために献身的に行動してくれると信じている」とも述べていることから、この行動が完全にロシア一般人に受け入れられるかどうかを心配していることが読み取れるからです。

ウクライナで本格的な戦闘が始まったら、SNSを通じて、その悲惨な様子をロシアの一般人も見ることになるでしょう。ロシア国内での反戦運動が政権を揺るがす可能性をも出てきたときに、それこそがプーチンを止める大きな要素になるでしょう。

最後に、少し視点が違う懸念があります。

ロシアが発表したこのプーチン演説の英文翻訳のオリジナル、今はなぜか私のPCでは接続することができません。ロシア政府の英文サイトに接続できないのです。

全文はブルームバーグの記事に見ることができるだけです。またオリジナル原稿を機械翻訳をしてブログ掲載した人(オロゴンさん)がいて、そこに見ることができます。

こういった場合、憶測ではなく、発言のオリジナルを確認することは非常に重要だと思うのですが、それができないことにも憤りを感じます。ロシアのプーチンがやっている事は非道ですがその演説は読みたいです。でないと、正確な判断ができないからです。

もちろんプロパガンダもあるでしょう。しかし、やはりオリジナルは見るべきです。素直に言って、西側報道も相当に自分に都合のよい部分だけを切り取っていると見て取れるからです。

だれが何のためにロシアの英語サイトと接続できないようにしているのかと思います。

情報統制されている側は情報統制されていることが分かりません。それは我々にも当てはまるのです。(この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』2月27日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)

社会の分断化を推し進める「バランスを欠いた報道」を見極めるために

メルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』 では、在米14年の経験と起業家としての視線、そして大学教授という立場から、世界で起きているさまざまなニュースを多角的な視点で分析。そして各種マスコミによる「印象操作」に惑わされないためのポイントを解説しています。1月中であれば、1月配信分のメルマガ全てが「初月無料」でお読みいただけます。この機会にぜひご登録ください。

月額:¥330(税込)/月
発行日:毎週 日曜日(年末年始を除く)
形式:PC・携帯向け/テキスト・HTML形式

日本のマスコミが伝えない海外報道の読み解き方とポイントを解説する大学教授・大澤裕さん新創刊メルマガの詳細・ご登録はコチラから

 

人気メルマガ「在米14年&起業家兼大学教授・大澤の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説」は、これまでに配信されたバックナンバーも大変人気があることをご存じですか?

過去に配信されたバックナンバーのご紹介と、まぐまぐスタッフがオススメポイントをいくつかご紹介いたします。バックナンバーは月単位で購入できます。

▼2022年1月
・自作自演の罠にはまったプーチン(1/30)
・日本に入る中国の電気自動車(1/23)
・カンボジアのインターネットゲートウエイ法(1/16)
・中国からのメッセージ(1/9)
・如何にして海外報道に疑問をもったか?(1/2)

このままでは近い将来、日本の電気自動車市場を中国が席巻することに? 1/23号では、日本の大手物流企業が、次々に中国製の電気自動車を導入している実態を紹介。1台50万円以下という圧倒的な価格競争力を背景に攻勢を強める中国メーカーに、日本はどう立ち向かうべきか?大澤氏の提案は、自動車に限らず多くの日本企業にとって参考になりそうです。1/2の新年特別号では、朝日新聞の歪んだ報道姿勢や著者の原点についても。

購入はこちら

▼2021年12月
・原子力潜水艦を渇望する韓国(12/26)
・「中国式民主主義」に対する各国報道(12/19)
・ビッグデータの覇権を狙う中国(12/12)
・中国政府とオリンピックを揺るがすテニス選手の行方不明(12/5)

日本はおろか米国をもはるかにしのぐ、中国の「ビッグデータ収集」が12/12号のテーマ。米アップルやテスラですら中国共産党に従わせる、中国の老獪なやり口とは? 20世紀が石油の時代だとすれば、21世紀はデータの時代。「情報はタダ」と軽視しがちな日本に大澤氏は強い警鐘を鳴らします。また12/26号では、韓国のムン・ジェイン大統領が、北朝鮮との終戦を国連で強く訴える一方で、「北朝鮮に対抗するために」原子力潜水艦を渇望している真の理由を考察。隣国の日本も、決して無関係ではいられません。

購入はこちら

▼2021年11月
・軍事的な結びつきが強まる日本とベトナム(11/28)
・中国政府を揺るがすテニス選手の性的暴行告発・消息不明(11/21)
・「日本は信頼できない」韓国大統領候補(11/14)
・日本の戦略を高く評価するシンガポール新聞(11/7)

11/28号では、日本とベトナムの安全保障協力を詳しく解説。南シナ海で中国の脅威が高まる中、日本はベトナム沿岸警備隊向けに約400億円を投入、「かが」「むらさめ」2隻を海軍基地に寄港させ「親善演習」を実施しました。大澤氏はこの日本政府の取り組みを「場当たり的ではない長期的な国家戦略」として評価しつつも、「肝心の日本国民に説明できない」ところに大きな課題があると指摘します。
11/7号では「最近、日本は目立たないながらも主導的な役割を果たすようになった」とのシンガポール紙の記事を紹介。これもまた「なぜか日本で報道されない」日本に肯定的な意見のひとつです。

購入はこちら

▼2021年10月
・世界EV電気自動車バッテリー覇権戦争(10/31)
・今もNYタイムズで追悼される従軍慰安婦(10/24)
・海外からの日本への投資、北朝鮮に次ぐ最下位(10/17)
・日本が核武装を決断する日(10/10)
・中国の情報操作に対抗するシンガポール(10/3)

購入はこちら

▼2021年9月
・オーカス(AUKUS)の各国反応(9/26)
・米国の国境に殺到するハイチ人の悲劇(9/19)
・鳩山由紀夫氏に問う(9/12)
・中国で日本テーマパークが閉鎖(9/5)

購入はこちら

▼2021年8月
・韓国 従軍慰安婦記念式典(8/29)
・アフガンに入り込む中国の戦略(8/22)
・仮想通貨 恐ろしい騙しの手口(8/15)
・暗号通貨の未来~シンガポールの取り組み~(8/8)
・忍び寄るインフレ、バイデンフレーションの恐怖(8/1)

購入はこちら

▼2021年7月
・オリンピック開会式、NYタイムズ厳しい報道(7/25)
・グーグルが国有化される日(7/18)
・無観客オリンピックの報道(7/11)
・タイトル42が廃止される時(7/4)

購入はこちら

▼2021年6月
・海外のオリンピック報道は?(6/27)
・テキサス州がトランプの壁を独自建設へ(6/20)
・今、香港に報道の自由はあるか?(6/13)
・中国の台湾侵攻に関する広報・情報戦(6/6)

購入はこちら

▼2021年5月
・カマラ・ハリス副大統領の沈黙(5/30)
・海外は従軍慰安婦問題をどう報道しているのか?(5/23)

購入はこちら

すべてのバックナンバーを見る

image by: Photographer RM / Shutterstock.com

大澤 裕この著者の記事一覧

・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説 』

【著者】 大澤 裕 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 日曜日

print
いま読まれてます

  • 見透かされたバイデンの弱腰。プーチンの発言で判るロシアの企み
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け