「最悪の気分」母国を愛するロシア人たちを板挟みにさせたウクライナ侵攻

 

残念ながらロシア国内をゆっくり旅したことは無く、何度か乗り継ぎでモスクワの空港を訪れただけなのですが、それだけでも、いくつか面白いエピソードは心に残っています。

今からもう20年くらい前になりますが、当時添乗員としてヨーロッパに旅をした時のこと。格安のツアーでは時々ロシアのアエロフロート・ロシア航空を利用することがありました。

古い機体、なんだかよく分からない外国語(ほぼロシア語)映画、ひんやりと暗く小さなモスクワ空港での乗り継ぎ、コロコロ変わる搭乗案内。スーツケースに鍵をかけるだけでなくしっかり梱包しておかないと度々中身が盗難に遭うし、自社の便の遅れが原因なのに乗り継ぎ便がさっさと出発しちゃって大騒ぎになったり。

それだけで共産圏情緒たっぷりですが、一見愛想も何も無さそうなロシア航空のサービスも、実はそれなりに楽しいものでした。

例えば機内エンターテイメントの映画!英語の吹き替え付きロシア映画(ドラマ?)があったので見てみたのですが、吹き替えの声がずっと同じ人!男性のセリフも女性のセリフもずっと同じ女性が、しかも棒読み状態で吹き替えてる(笑)!

なので最初はそれが吹き替えとは気付かなくて、「何この声?」と聞きながら見ているうちに「これ、まさかセリフ!?」って気付いてビックリ&大ウケ!色々な航空会社のフライトを体験しましたが、こんな投げやりで笑えるエンターテイメントは希少です。

機内食やサービスは北米系航空会社並みで、アジアやヨーロッパの航空会社に比べるとお世辞にも良いとは言えませんが、機内食にいつも必ず入っているポテトサラダだけは酸味の強さがやけに美味しくて印象に残っています。

後で知ったのですが、ロシアは世界トップのマヨネーズ大量消費国で、ポテトサラダも「ロシアンサラダ」と欧米では呼ばれており、本国ではなんと「オリヴィエ・サラダ」という美しい名前を持っています。

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