2つ目は『思念は業(ごう)をつくる』ということです。
人間は人生のその時々でいろいろな思いを抱くわけですが、その思いが様々な業、つまり原因をつくっていくんだと。いいことを思えばいい原因をつくるし、悪いことを思えば悪い原因をつくる。
仮に思っただけで、口に出したり実行しなかったとしても原因になるのです。
だから『思い』というものを軽々に考えてはいけないと思っています。本当に長い間、人生を極めていこうと思えば、『どんな思いを抱くか』が大切だと思いますね」
白鵬 「『思いは実現する』という言葉をよく聞きます」
稲盛 「そうですね。思念は実現します。それはすぐには実現しないけれども、思いが積み重なって、やがて現実になる。だから常日頃どんな思いを抱いているかが大切だと思ってきました。
3つ目は『宇宙の心と一体になる』ということです」
白鵬 「宇宙の心、ですか」
稲盛 「私は『謙虚にして驕らず、さらに努力を』『思念は業をつくる』と思って経営を続けてきたわけですが、ある時感じたんですね。
宇宙には森羅万象、すべてのものをいい方向に生かそうとする、そういう素晴らしい愛の心、思いやりの心が充満しているということを。
ですから、その宇宙の心に沿った思い、つまり愛の心、優しい思いやりの心を抱いて行動をすれば、必ず宇宙は手助けをしてくれると思ってきました。
長い間会社を発展させていくには、宇宙の心が支援してくれるような考え方を持たなければなりません」
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