核使用にも反対。プーチンに対して間接的に「NO」を突きつけた習近平

2022.11.17
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伝統的に深いつながりを持ちながら、現在置かれている立場に大きな開きがある中国とロシア。習近平国家主席にとっては、ウクライナ戦争で国際社会を敵に回すプーチン大統領との間に、この先どのような関係を築くのが正答となるのでしょうか。そんな難題の分析を試みるのは、外務省や国連機関とも繋がりを持ち、国際政治を熟知するアッズーリ氏。アッズーリ氏は今回、核兵器の使用に反対する考えを示し、間接的とは言えプーチン大統領にNOを突きつけた習近平氏の意図を解説するとともに、「習―プーチン関係」の今後を考察しています。

3期目の習近平にとってのプーチン大統領

インドのジャイシャンカル外相は11月、モスクワを訪問してロシアのラブロフ外相と会談し、ロシア産石油の輸入を継続するなどエネルギー分野での結び付きを強化していく方針を示した。ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、ロシアの軍事的劣勢が顕著になる中、プーチン大統領が9月に市民の部分的動員とウクライナ東部南部4州の併合に打って出るなどしたことで、それまで同侵攻で態度を明確にしてこなかったインドの態度にも変化が見られた。

インドのモディ首相は9月にウラジオストクで開催された東方経済フォーラムでプーチン大統領と会談し、「今は戦争や紛争の時代ではない」と初めてウクライナ侵攻を批判し、同月、国連総会の場でインドのジャイシャンカル外相もウクライナ侵攻によって物価高やインフレが生じたと不快感を示した。

しかし、世界的なエネルギー高騰に頭を悩ますインドとしては、エネルギー安全保障の観点から安値を維持するロシア産エネルギーに依存せざるを得ない状況で、今回の合意も悩んだ挙句の決断、行動だったと考えられる。インドとロシアはもともと武器供与などで伝統的友好関係にあり、米国などからのプレッシャーもある中、インドは難しい立場にある。しかし、今後ともインドはロシアとの政治的関係の維持、経済的接近を図るものとみられる。

一方、3期目となった中国はインドのような立場を取るか、もっといえば取れるのかといえば疑問が残る。

プーチン大統領と習氏は9月15日、中央アジアのウズベキスタンで開催された上海協力機構の首脳会合に参加するのに合わせ約半年ぶりに対面で会談した。冒頭、プーチン大統領は、「この半年間で世界情勢は劇的に変化したが変わらないものが一つある。それは中露の友情関係だ」とし、習近平氏も、「激変する世界で中国はロシアとともに大国の模範を示し、主導的役割を果たす」と双方が両国関係の重要性を確認した。

だが、話がウクライナ問題になると、習氏の表情が厳しくなり無言を貫き、プーチン大統領は「中国側の疑念や懸念を理解している。中国の中立的立場を高く評価する」と、自らそこで乖離が生じていることを明らかにした。

そして、部分的動員やウクライナ4州併合に加えロシアによる核使用の可能性が示唆されるなか、習氏は11月に訪中したドイツのショルツ首相と会談し、国際社会が核兵器の使用や威嚇に共同で反対するべきだとし、軍事侵攻を続けるロシアを念頭に核兵器の使用に反対する考えを示した。

プーチン大統領を名指しで非難したわけではないが、これは間接的にNO!を突き付けたことになる。ウクライナ侵攻以降、中国もロシアへの非難や制裁を避けるなどインドと同じような立場を堅持してきたが、プーチン大統領が一線を越えた行動に出たことで、上述のモディ首相のようにこれ以上は黙ってはいられないという立場に変化した。

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