客単価7000円超の衝撃。いま焼き鳥居酒屋が「高度化」してきている

 

有力地鶏によってイメージが一気に具体化

けむりの業容はFC6店舗を含め5業態18店舗。メインブランドの「けむり」は客単価3,500円。いわゆる大衆的な焼き鳥居酒屋だ。しかしながら、この業態だけでは利益のゾーンは減ってくる。そこで、代表の小松氏(40)は2018年ごろから「高級焼き鳥店」を営業したいと考えた。そのイメージは店舗のハードは先に述べた凛とした雰囲気。しかしながら、商品に関してはそれに見合うものをイメージできていなかった。

コロナ禍となり構想はそのままとなっていた。が、ある日、以前の常連客からメールが届いた。その人物は東京からIターンによって熊本で天草大王の生産者となっていた。「コロナ禍で当社の天草大王が200羽ほど行き場を失っている。小松さんの会社で仕入れてもらえないか」という内容。早速サンプルを取り寄せて鶏料理の試作を行った。そこで最高の食味を引き出す方法が前述したドライエージングによる熟成であることを発見した。

こうして「高級焼き鳥店」のフードは決まった。ではドリンクはということで、ナチュールワインの赤・白・オレンジ・泡と合わせてみたところ、商品の歯車が見事に合致した。

小松氏は「高級業態で仕事をすることは、従業員に“成長”というプラスの効果を強くもたらす」と語る。高級業態における従業員は、高級な食材に触り、クオリティの高いメニューづくりにいそしみ、そして外食の経験値の高いお客と対面することになる。このような世界には「自分を磨く」という向上心とその実践が必要とされる。このように「焼き鳥居酒屋の高度化」は、職場の中にプラスの要素をもたらしている。

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