なぜ今、中国ではここまで「上野千鶴子」が人気になっているのか?

Women with drawn symbols of woman on their palms against color background. Concept of feminismWomen with drawn symbols of woman on their palms against color background. Concept of feminism
 

以前、東京大学での入学式スピーチが話題となった、フェミニストであり社会学者の上野千鶴子さん。彼女が今中国で人気になっている件について、今回のメルマガ『黄文葦の日中楽話』で詳しく語っています。

中国では、なぜ上野千鶴子のような人物がいないのか

先日、中国メディアの編集者から、「週刊文春」2月号に掲載された「独身主義の上野千鶴子氏は、実は結婚していた」というかなり目を引く記事について、日本では大きなインパクトがあったのか、記事を書いてほしいと依頼された。

75歳の上野千鶴子氏は結婚歴があったとは、ただのプライベートのこと。もちろん上野千鶴子氏は人格者である女性学者で、当方は彼女を尊敬している。結婚していたとしても、彼女の著作がどう受け止められるかは関係ない。

中国の編集者が当方の意見に同意してくれた。週刊誌が書いているように、上野千鶴子氏20数歳年上の歴史学者との恋愛を長年望み、彼が人生の終焉を迎えつつある中で正式に結婚したことが事実であれば、これはロマンチックで立派なことである。

中国では上野千鶴子といえばフェミニストというイメージがあるが、実は中国には有名なフェミニストはいない。多くの女性は男性と同じように働いている。多くの女性は、自分の利益が侵害されたとき、怖くて声を上げることができない。

最近、「北京大学寮の雑談×上野千鶴子」が話題になっている。発端は、中国の人気サイトであるbilibiliのアップローダーが投稿した、北京大学の同じ寮の卒業生女子3人が、上野千鶴子とフェミニズムについて放送で語り合う動画が、ネットユーザーから「くだらない質問」と嫌われたことだった。ただし、視聴者が多かった。

【関連】フェミニズムは都合が悪い。中国共産党が上野千鶴子氏の著作を発禁にする日

北京大学を卒業した3人は全員結婚しているが、上野千鶴子さんは独身で子供もいない。そこで、最初の質問は、「(結婚しなかったのは)男性に傷つけられたからか、生家の影響か?」というものだった。

このような唐突な質問に対して、上野千鶴子は「結婚には興味ないけど、やっぱり男性は好き」「いわゆる自由は選択肢があること」「大事なのは自分を騙さないこと」とにこやかに答えた。結婚と子育ての関係を探るこのフェミニズムは、ネット上で「女性はどのような自由を追求すべきか」という議論を巻き起こした。

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