最強戦車が続々到着。プーチンの人海戦術を凌ぐウクライナ軍の大攻勢

 

ゼレンスキーも前線訪問で着々と整う反転攻勢の準備

戦争犯罪者のギルキンも、「特別軍事作戦にはロシアの法的地位がなく、まだ戦争宣言もされていない。つまりウクライナ人を殺すためにウクライナに行ったすべてのロ軍兵は、犯罪を犯している」ことになるとして、公にロシア政府を非難している。ロシアの内部紛争で分裂状態になっている。

ということで、ウ軍オレクサンドル・シルスキー陸軍総司令官も「バフムトのロ軍は失速している。我々はこれまでキーウや東部ハリキウなどで行ったのと同様に、間もなくこの機会を利用する」と発言し、反転攻勢を予告した。

ゼレンスキー大統領も、バフムト周辺の前線を訪問し、兵士を激励して反撃への準備をしているし、チャンプ・ヤールに大量の装甲部隊も到着している。仏からのAXC10戦闘車も配備したようであり、反撃の準備を着々と整えているようである。

この情報がプリゴジン氏も分かり、危機感を持っているようである。ほぼ正確に見通している。しかし、無能なロ軍の上層部は、戦争に勝つより、プリゴジン氏の方が危ないと思っているようだ。無能な軍隊の中で、有能なリーダーは味方から殺されることになりそうである。無能な軍上層部は、戦争目的を履き違えている。

殺されないためには、バフムトやロシアから逃げるしかない。

反対に、ウ軍にとっては、ロシア内部の仲間割れは、大きな勝利への足がかりになる。

しかし、ゼレンスキー大統領は、バフムトなど東部の最前線では、「状況は良くない。弾薬がないためだ」とし、欧米に弾薬や戦車提供を加速するよう訴えた。ロ軍もウ軍も弾薬と兵器の枯渇に陥っているようだ。

現時点では、バフムート包囲の結果を残せないロ軍は春攻勢を中止して、ウ軍の反攻阻止・防御に移行したようにも見える。

当分、戦況が揺れ動く事態になる。このコラムは、3月26日朝時点での記事であり、今後の展開は変化する可能性がありますので、ご容赦ください。

精鋭部隊派遣でも勝ち切れぬロ軍 アウディーイウカ方面

アウディーイウカ周辺で、ロ軍はバフムトから移動させた精鋭部隊で攻撃している。クラスノホリフカを占領後、セベルネ、プレボマイスク、ラストチェケネ、ケラミクにもロ軍は攻撃しているが、ワグナー軍より攻撃手法は拙い。このため、大きく犠牲を出している。そして、ウ軍もアウディーイウカ北側に増援部隊を派遣した。

ロ軍精鋭部隊が、バフムトでワグナー軍をフォローしたのは、ワグナー軍の攻撃手法を教わるためであった可能性もあり、手法がわかったので、ワグナー軍のフォローを止めた可能性もある。しかし、ワグナー軍ほど、現場指揮官の権限がないので、状況判断ができず、現場無視の命令を上級指揮官が発するようである。そのため、現場部隊の犠牲が多いようだ。

しかし、現在、攻撃するロ軍が戦線での主導権を持っているので、ロ軍は、ウ軍の手薄なところを探して、そこにロ軍精鋭部隊を回して攻撃しているとも言える。しかし、その兵力も損耗して、回すことができなくなりつつある。

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