クリミア半島からも退避し始めたロシアの占領当局
クレミンナ方面では、クレミンナ市西端とクレミンナ南の森にウ軍は攻め込んだが、そこからは、ロ軍との戦闘で前に進めないでいる。ロ軍の攻撃はなくなっている。スバトボも同様である。
ビロホリフカにもロ軍が攻撃しているが、ウ軍は丘の上から打ち下すので、ロ軍は損害を出すだけで前進ができないでいる。
クピャンスク方面では、ドボロイネをロ軍が占領し、マシュティフカとシンシキフカに攻撃しているが、こちらはウ軍が撃退している。
マリンカにもロ軍が攻撃しているが、ウ軍は撃退している。この地点は、数か月攻撃をしているが、ロ軍は前進できないでいる。
ボハレバラでのロ軍の攻撃はなくなっている。
ロ軍の支配するクリミア半島のジャンコイで、ウ軍はカリブル・ミサイルを搭載した列車を破壊した。ウ軍が使用したのが、市販の中国製無人機MUGIN-5の自爆改造型だという。
続いて、ロ軍セバストポリ軍港で2件ほど爆発があり、ウ軍のドローンと無人ボートを使用した攻撃で、クリミアが安全ではないと、クリミアの占領当局は、ロシア本土に退避し始めた。
これに対して、ロ軍は3月21日夜にオデーサ市のウ軍のシュキルニ飛行場をミサイル攻撃した。
もう1つ、ロシアのパルチザン「ブラック・ブリッジ」が、ロストフ・ナ・ドヌーにあるFSB支社の建物を爆発するなど、ロシア内での火災や爆発に関与していることを表明した。
逆に、ロ軍は3月21~22日の夜、岸田総理がキエフにいたが、その同時刻にウクライナの複数都市を多数のドローンで攻撃した。少なくとも市民1人死亡、33人が負傷したが、ロ軍の攻撃頻度が落ち、かつミサイル攻撃がなくなっている。
ロ軍は民間電力インフラ攻撃を中止して、民間住宅への攻撃を始めたようだ。
「劣化ウラン弾が怖いなら撤退しろ」。米広報官の正論
日本の岸田首相は21日、ウクライナの首都キーウを電撃訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。首相は1月のゼレンスキー氏との電話会談で、ウクライナ訪問の招請を受けた。他のG7首脳は既にキーウを訪れており、5月のG7首脳会議前に訪問したいとしていたが実現した。
米国は、提供に2年程度かかるM1A2の31両ではなく、中古のM1A1の31両をウクライナに5月には提供するという。これで提供時期が早まり、春の大攻勢に間に合うことになる。米国は2024年以降の支援体制に不安があり、早期に戦車などの重要な装備を提供するようである。
スロバキアはMig-29戦闘機4機をウクライナに引き渡し、北マケドニアがウクライナにSu-25攻撃機4機を送った。23日に、スペインがレオパルト2A4を6台整備し、ウクライナへ送るという。ノルウェーのレオパルト2の8両と支援車4台がウクライナに到着した。徐々に反転攻勢の準備が進んでいる。
それと、英国がチャレンジャー2戦車の弾薬として劣化ウラン弾をウクライナ向けに供与するが、これに対して、プーチンは核使用をするのは許せないとした。これに対して、NSCのジョン・カービー広報官は「主に徹甲弾として使用される一般的な砲弾だ。ロシアが戦車や戦車兵の健康を心配するなら、帰国させればいいだけのことだ」と語った。
徐々に春攻勢の準備が整ってきたが、ウクライナ国防省のマリャル次官は25日、報道関係者やブロガーに対して、ウ軍の反転攻勢の議題につき結果が出るまで話さないように要請した。いよいよ、春攻勢が近いことがわかる。
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