ポーランド軍は「義勇兵」として戦闘参加の方向か
もう1つ、重要であるとみるのが、ウ空軍に外国人が参加できるようになったことで、これで将来的に西側戦闘機を取得することができるし、米空軍パイロットが多数参加を表明しているが、受け入れることになる。
最初にF/A-18の供与があるかもしれないし、A-10の訓練を米国でウ軍パイロットが受けているので、まずA-10を供与する可能性もある。
しかし、チェコ軍参謀総長やNATO軍事委員長などを務め、2023年の選挙で大統領になったペトル・パベル氏は「数ヶ月以内にウ軍の反攻が必ず行われるが、これが失敗すれば次回の反攻に必要な資金や物資を得ることは困難になる」と指摘した。
このため、ポーランド軍は、ウ軍の春攻勢失敗後の対応をする必要があり、ポーランド軍が大量に武器を持ってウ軍の義勇兵として戦う方向のもようである。
その準備もしていることで、韓国のKT2戦車などを蓄え、国防予算も10%以上になっている。NATO軍の介入はないが、ポーランド軍がウ軍を助けることになる。現在もポーランド軍が多数義勇兵として、ウ軍として活躍しているようである。そうなると、NATOとロシアの衝突の一歩になる可能性も出る。
完全に中国の属国となったロシア
習近平国家主席とプーチンは21日、政治・経済面で二国間の関係を強化するとした。西側諸国から制裁を科されているロシアは、中国に対する経済面の依存度を高めて、人民元を両国の貿易で使用するなど、中国は商業・金融分野での優位性を強化する取組みを行うとした。
ロシアが石油、天然ガスなどの資源を70%割引と安く提供し、中国は工業製品を定価で提供する。ロシアは中国の属国になったようである。そして、ロシア中央銀行は、中国語の研修を始めるという。人民元を共同通貨として使用することで、ロシア中央銀行は、中国人民銀行との打合せが増えることになる。
習氏は一方でウクライナを巡り、紛争の仲介役としての役割を演じるようで、中国は先月、紛争終結に向けた交渉を呼びかける12項目の文書を発表し、習氏は「われわれは常に平和と対話を支持する」と述べた。このため、中国はロシアに軍事支援はしないとしている。
この声明で分かることは、1つにロシア政権の弱体化、2つに中国の優位性を確保したこと、3つに中国は中立であり、軍事支援はしないこと、である。
この結果、プーチンは、大きな期待を抱いていたと思うが、その半分も実現しなかった。当然、軍事的な同盟はないし、様々な新しい武器の供給契約もないし、中国首脳によるロシア支持の明確な立場も示されなかったことになる。
しかし、ドローンや部品を15億円分ロシアに輸出しているなどの民軍共用品は提供している。また第3国経由で、中国製爆薬がロシアに提供されているともいう。中国の巧みな戦略である。
ロシアは、プーチンなどのICCからの戦争犯罪人での逮捕状もあり、中国の経済支援が必要であり、戦争の長期化を目指すにも資金と技術を得る必要がある。
その上、ロ軍の兵員不足で、次の40万人動員を開始したようである。しかし、月2万人の動員を2年間通して行うという。一時に多くの動員では、訓練ができないので、訓練場のキャパに見合う人数を動員して、訓練をして、戦場に送ることにしたようである。
この訓練場の多くがベラルーシであるようだ。ベラルーシの訓練場のキャンプ施設は、前回の動員兵の訓練を終了しても、そのままの状態で、次の動員兵を待っている。
それと、ロシアは兵器枯渇で、とうとう1950年代のT-54/55戦車を投入してきた。
この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ